米製薬大手バクスター・インターナショナルは12日、7月にも新型インフルエンザ用ワクチンを供給できると発表した。今年秋の供給を目指すスイス・ノバルティスより早く、世界で初めてのワクチン供給となる見込みだ。世界保健機関(WHO)は新型インフルエンザの警戒水準(フェーズ)を最高度「6」に引き上げたばかり。バクスターは主要国の保健当局と供給契約を結び、ワクチンの大量生産を急ぐ。
新型インフルエンザでは重症化を防ぐワクチンがないことが、不安を増幅させる原因となってきた。同社はWHOなどから5月に新型ウイルスの菌株を入手してワクチンを開発し、試験を進めてきた。
ワクチンを製造するにはニワトリの卵でウイルスを増殖させるのが一般的。同社は従来の方法に比べて早く作れる細胞工学技術を保有しており、欧州の当局などから認可を取り付けていた。
(シカゴ=毛利靖子)
(12:05)