開城工団:進出企業、撤収時の損失補てんを要求
北朝鮮側の賃金引き上げ要求を拒否
開城工業団地に進出した企業の代表者らが韓国政府に対し、撤収時における損失補てんなどの対策を講じるよう求めた。
また、北朝鮮側が従業員の月給を一人当たり300ドル(約3万円)に引き上げるよう求めたのに対し、「北朝鮮の一方的な引き上げの要求は受け入れることはできない」との意向を正式に表明した。これを受け、今月19日に予定されている南北の当局者間の追加交渉で、進出企業が受け入れられる合意が成立しなかった場合、進出企業が大挙して撤収する可能性も排除できないとみられる。
開城工業団地の進出企業で構成される「開城工業団地企業協会」の代表者らは12日、ソウル市中区西小門洞の事務所で記者会見を開き、冒頭のような内容を盛り込んだ「6・11南北実務者会談に関連する開城工業団地進出企業の意向」を発表した。
進出企業の代表者らは発表文で、政府に対し「進出企業の被害を最小限に抑えられるよう、運営資金の緊急支援や、退路を開くことができる対策を打ち出してほしい」と求めた。
企業協会のキム・ハックォン会長は、発表文で言及した「退路を開くことができる対策」に関し、「開城工業団地から撤収しようとする企業に対し、これまで投資してきた金額などの損失を補てんする案などを検討してほしい、という意味だ」と説明した。進出企業の代表者らが、開城工業団地からの撤収に関する対策を、公開の場で政府に求めたのは今回が初めてだ。
進出企業の代表者らはまた、北朝鮮の要求に関連し、「進出当時、南北両政府によって保障された規定や契約条件とは異なる北朝鮮政府の一方的な賃金引き上げ要求は受け入れられない。関係者の安全の保障や軍事境界線の通過など、経営に関する環境が改善され、現在の低い生産性が向上すれば、基本的な契約条件を崩さないという土台の上で、賃金の引き上げについて話し合うべきだ」と主張した。
開城工業団地の事業が始まった当初、南北双方は北朝鮮側の従業員に対する基本的な契約条件として、最低賃金について1年に1回話し合うこととし、引き上げ幅は5%以内とすることで合意していた。ところが北朝鮮は今月11日の実務者会談で、現在75ドル(約7400円)=社会保険料を含む=程度となっている北朝鮮側の従業員一人当たりの月給を300ドルに引き上げ、また土地の賃貸料も、すでに納付された金額の31倍に相当する5億ドル(約492億1000万円)を新たに支払うよう求めた。
企業協会のユ・チャングン副会長は「北朝鮮は最低賃金の引き上げ幅を年間5%以内とした南北間の合意を守るべきだ」と述べた。これに対し統一部の関係者は「開城工業団地を安定的に発展させ維持していくという韓国政府の原則には変わりはない。この原則を土台とし、関係省庁との間で、企業協会側の要求事項について検討していく」と話している。
パク・スチャン記者
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