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2009-06-06

[]バクマン。三巻ですごいと思ったコマ

バクマン。も三巻ですね。

はっきりって私にはストーリーは面白くもなんともないです。ガモウがジャンプの裏側の暴露と漫画へのウンチクや批判を垂れ流しているといった印象しかない。

ただ小畑の絵が組み合わされるとそれは不思議な化学反応を起こし、人気漫画に!*1

とにかく私は小畑の絵が目当て。

それでタイトルにある三巻ですごいと思ったコマはこれです。

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は?ってなりました?

その後の1ページぶち抜きの二人のチャリシーンのほうがすごいだろ、って思います?

そうかもね、ジャンプ漫画ってちょっとしたことでも痛いファンが俺のほうがこの漫画理解してるぜっていいにくるので、いろいろいいたいことがあると思いますが、それはそれとして、あくまでも私がすごいと思っただけです。

で、何がすごいかと言いますとね、このコマ、自転車の前かごの中身を描いていると言うことです。

よくわからん、と思った人が多数と思われます。

小畑は背景や小物の精密さは週刊漫画においてはトップクラスです。

もっとも実際描いているのはアシなのですが、何をどう細かく描くか、指示をしているのは漫画家本人であって、そのセンスはアシを介して原稿にあらわれます。

だから何の描写に比重を置いているのかで、その漫画家のこだわりがわかる。少女漫画で背景よりもファッションに気合いってますし、作者が車好きなら車に気合いれたり、銃が好きなら銃の描写がやたら精密だったりします。

それでこの前かご。

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自転車に凝っている人と言うのはいますが、ただのママチャリの前かごにこの気合の入れ方。

これは別に小畑がママチャリ愛好家というわけではない。*2

アナログで漫画を描いたことある方ならわかると思いますが金網ごしなどの絵を描くのはめんどくさい。

そして大抵の場合、チャリを描くとき、網目が細かい籠の中身は透かして描きません。

これは手抜きではない。漫画の絵ならではのうそで、私たちが肉眼(写真))で見た場合なら中身が見えるけど絵の場合は描かない。むしろ中身を描いたらごちゃごちゃしそうで省略してしまうことは普通にある。 

そう、それが普通なのに、わざわざこんな、決めゴマではないつなぎのコマの、キャラの象徴でもなんでもない自転車の前籠。

それも細かい斜めに交差したが網目を、ホワイト駆使して中身がかばんと一目みてわかるように透かして描くとは。*3

ママチャリフェチでもないのに。

構図からしてこの前籠に目が行くようにしてあるので、この前籠を精密に描く気バリバリだったと思われます。

なんでこんなコマのこんな小道具にここまで気合入れて・・・・・ということで「すごい」と思いました。


小畑作画で精密な背景・小物といえばDEATH NOTEのサイコロタワーや読みきりのトランプタワーなどを思い浮かべる方がおおい*4と思われます。(スキャンするのがめんどいので思い浮かべてください)*5あれはニアというキャラの偏執さを出すアイテムであって、今回のどうでもいいチャリの前籠とはちょっと意味合いが違います。ちなみにサイコロタワー等は、小畑いわく、「絵でやるギャグ」だそうです。

とにかく今回の前籠のコマだけじゃなく、小畑は多分、とにかく肉眼で見たままの背景や小道具を精密に漫画の原稿で再現して描かなきゃ気がすまない性癖なのだと思う。*6

でも、それは・・・命削る作業でっせ・・・・*7

*1:鷹野常雄=ガモウと言ううわさがありましたが・・・・

*2:小畑はバイク好きだと公言してますが、チャリは多分こだわるほど好きじゃないと思われる。多分。

*3:71ページなどで網目の間隔が比較的大きいサイコーのママチャリの籠の中身も描いてますが、この手のママチャリの籠の中身を描いてある漫画は結構あります。

*4:ほかにも腕時計の文字盤とか。あれみて「アシめんどくさかったろうなあ・・・」と思いました。

*5:サイコロタワーは週刊連載時!!

*6:この手精密大好きな漫画家は読み切りなどでものすごく大雑把な絵柄で密度の薄い漫画を描いたりする。息抜きなのか?でも小畑は読みきりでもイラストでも手抜きしないよなあ。

*7:アシが・・・、いや小畑もだけどさ