2009年4月28日
二等辺三角形というのは聞いたことがあっても三等辺四角形というのは聞いたことがない人も多いのではないかと思います。パズルとして休み時間に出したものがいつの間に広がったのか算数オリンピックには出始めているので、中学入試に波及するかもしれません。頭の体操としてひまなときに考えて遊んでおきましょう。
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入試問題を見ていると、未来の問題というかまだ出ていない問題がときどき浮かびます。皆さんにもあることでしょう。ここでは3つの辺の長さが等しい四角形のうち2つの角の大きさが与えられて、他の角の大きさを求める問題を考えてみましょう。簡単なものが1993年に算数オリンピックに出ています。
問題1
左図の四角形ABCDで3辺BC、CD、DAの長さが等しく、角Cが90度、角Dが150度のとき、角Aは何度ですか。(1993年 算数オリンピック)
これは簡単ですね。中学入試にもよく出ます。では次の問題はどうでしょう。
問題2
四角形ABCDで3辺BC、CD、DAの長さが等しく、角C、角Dが次のとき、Aは何度ですか。(2007年 算数オリンピック)
(1)角Cが48度、角Dが108度
(2)角Cが168度、角Dが108度
では、簡単に説明します。
問題1の解法
これは図1のように正方形と、正三角形をくっつけた図を想像してかけばよいです。図2のように正三角形に内接する正方形を考えてもできます。
このように、かかれていない部分を空想で補って考えると簡単に解けます。角Aの大きさは見えない二等辺三角形を想像して、
180−(90+60)=30(度)
30÷2=15(度)
60−15=45(度)……角A
答え 45度として求めるとよいでしょう。
問題2の解法
これは、辺の長さが共通な正五角形に、正三角形をくっつけた図を下絵にしてかけばよいです。正五角形に内、外接する正三角形を考え108÷2=54(度)と求められます。
答え(1)(2)とも54度
このような問題が去年の算数オリンピックに出ましたが、問題1を見て問題2を思いついておくと簡単です。では、オリジナル問題です。
オリジナル問題
四角形ABCDで3辺BC、CD、DAの長さが等しく、角Cが80度、角Dが160度のとき、角Aは何度ですか。
このオリジナル問題はまだ当分出ないと思いますので、わからなければ無視しましょう。答えは40度です。なお、三等辺四角形という言葉は正式な言葉ではありません。
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記事提供:『学校選択』 全国中学入試センター
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