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Die Weblogtagesschau laut dem Kaetzchen
「うたごえ喫茶」の時代
歌声喫茶、別れの響き 愛され半世紀「カチューシャ」(朝日新聞) について.
私は大学1年の時に選択した第一外国語はロシア語だった.もともと高校自体,第二外国語としてドイツ語とフランス語の選択で,受験はドイツ語で受けたし,フランス語もちょっと齧って,さらにNHKテキストとモスクワ放送テキストでロシア語もちょっと齧ってたという経緯がある.さすがに3年になったら受験のためにドイツ語1本に搾ったけどね (英語は高2で講談社英検2級,大1で旺文社英検1級).モスクワ放送に簡単なロシア語で手紙を書くと,レコードやら教材やらをたくさんくれたので,自然とロシア語は音楽から覚えていった.
語学の上達法はやはり音楽だと思う.私が初めて英語を覚えたのは幼稚園の5歳の時,家の近くの米海軍キャンプの芝生で,屋外で "The Sound Of Music" を上映してたのを,金網の外から眺めていた時だ.尼僧たちやジュリー・アンドリュースやトラップ大佐 (設定では彼も一応貴族の Baron のはずだが……バロンと言うと柊あおいさんの『猫の男爵』を思い出したりして) の歌う唄は幼児だった私の頭に自然と入って行って,幼稚園で習ってた簡単な英会話の授業も苦にならなくなった.
ドイツ語も当然,第9からである.大晦日のFMから流れる第9第4楽章はすっと頭に入って,後にスコア (楽譜) を手に入れた時,ドイツ語独特のウムラウトなどの記法に興味を持ったのが始まりで,中学に入るとNHKラジオ講座テキストで独学を始めていたし,民謡のテープを買ってきて発音練習もしていた.どうも,英語とドイツ語を同時に学んだことが,多くの言語を習得できたカギなのかも知れない.
(補欠で引っ掛った(笑))大学に入ると,まず新宿歌舞伎町の「カチューシャ」を訪れてみた.私より十歳くらい年上の友人がたくさんできて,私の「教養」の基礎を叩き込んでくれた.覚えたてのロシア語で私が歌うと,ブラボー!と言ってくれたおじさんたちの声は忘れられない.最初からロシア語を齧った人は途中で投げ出す確率が高い.だけど,ロシアとドイツの間にはポーランド (しかも,北の辺境のカトリック国) がある.ポーランド語はドイツ騎士団に占領されたりしてドイツ語の影響が残っているため,アンジェイ・ワイダ監督のポーランド映画を見たりすると,字幕なしで「何だ,ドイツ語とロシア語のちゃんぽんじゃないか」と直感的に判ってしまったりするのだ.つまり,ロシア語で躓いた人には,だまされたと思ってドイツ語を学んでみられることをお薦めする.文法が似ているからだ.
その「カチューシャ」がついに幕を閉じるというニュースを見て,私は「これも時代の流れなのかな」と,一抹の淋しさを覚えた.ロシア民謡を歌うという文化が大衆文化の一つとして,インテリ文化の一つとして,渾然一体として存在していた時代は終わり;下層階級の大衆文化と,上流階級のインテリ文化とに完全に分かれてしまったのかなと,ふと思うのである.こういう事態は打破せねばならない! 革命だ! 革命を起こさねばならぬ!
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と言っても,極東のソ連兵捕虜は全んどが地元に住むアイヌ人やネネツ人ばかりで,白人のロシア人は半分アル中の下層階級の男だったという.理科なのに徴兵に取られた伯父は日本軍に反旗を翻して,ある晩,同じ黄色人種のアイヌ人やネネツ人の捕虜と一緒に逃げ,ソ連軍に合流し,そこで飢えていた日本人捕虜の通訳をしたそうだ.シベリアの冬は厳しく,ロシア人兵さえもろくな食事は与えられなく,当然捕虜には食糧は回ってこなくて餓死する日本兵が多かった.この悲劇はあちこちの書物に書かれているが,どれも被害者妄想で書かれているので信頼に値する本は少ない.通訳だった伯父こそが真実を知っていたのである.
その伯父が敗戦後,才能を買われてシベリア科学アカデミーへ進学し,工学博士となって日本に帰国し,特許料で儲けたカネで中之島に自社ビルを建てた.そのあと,千里の丘に万博会場が造られ,伯父の会社もそれで一儲けし,私も平日に学校をさぼって,こだま号で伯父の家へ向かい,従兄を唆して一緒に平日の万博を楽しんだ記憶がある(笑) 伯父はものすごい読書家で,仕事から帰っても必ず寝る前に岩波新書を1冊読んでいた.そして翌日,私たちにそれを渡して読めと言い,晩飯のあとで読書会をしていた.私も岩波新書は小学低学年から読んでいたけど,本格的な読書会の型式で伯父の知識を吸収したことは非常に刺激になった.ロシア語の初歩を教えてくれた伯父には今でも感謝している.
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