2009年6月13日3時0分
「遺族とはまだ会えてないんです」記者会見で悔しい表情を見せる私立千代田高校の北村健一郎校長(左)=12日午後、大阪府河内長野市、矢木隆晴撮影
下校する私立千代田高校の生徒ら=12日午後、大阪府河内長野市、矢木隆晴撮影
遺体が発見された現場近くの護岸を調べる捜査員ら=12日午後3時39分、大阪府富田林市、南部泰博撮影
遺体が発見された現場に向かって近所の親子連れらが手を合わせていた=12日午後6時6分、大阪府富田林市、南部泰博撮影
大阪府富田林市新堂の川の中で、同府河内長野市の私立千代田高校1年生、大久保光貴(こう・き)さん(15)=同市南花台3丁目=が遺体で見つかった事件で、大久保さんとトラブルがあった別の高校の男子生徒が、殺害を認める供述をしたため、大阪府警が殺人容疑でこの生徒の逮捕状を請求したことが大阪府警への取材でわかった。
また府警は12日、司法解剖の結果、死因はバットのようなもので頭を殴られたことによる脳挫傷と発表し、富田林署に捜査本部を設置した。
捜査本部などによると、大久保さんは11日は普段通り高校に通い、同日夕方、河内長野市の南海高野線千代田駅で同級生と別れたという。司法解剖では、頭部にバットのような鈍器で強打されたとみられる複数の傷が確認され、死亡推定は12日未明とされた。
捜査本部は、近くの護岸に血だまりがあったことなどから、大久保さんがこの護岸で暴行された後、川の中まで引きずられて放置されたとみている。凶器は見つかっていないという。大久保さんの携帯電話は現場周辺にはなかった。帰宅しないのを心配した母親が12日朝メールを送信したが、返信はなかったという。
また、大久保さんが最近交友関係などをめぐってトラブルを抱えていたことから、捜査本部が深夜に現場まで呼び出されたか、連れてこられた可能性もあるとみて、複数の知人から事情を聴くなかで、この男子高校生が浮上したという。
一方、大久保さんが身につけていた財布には現金約6千円が残されていた。同署は当初、現金は入っていなかったと発表したが、その後訂正した。
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千代田高校では12日夕、北村健一郎校長(59)が記者会見した。大久保さんは大学進学を目指すコースで学び、サッカー部に所属していたという。トラブルや問題行動はなかったと説明した。