三井住友銀行・西川善文頭取の自宅に重大疑惑②
●富士緑化が土地所有中に、自宅を建設
本紙は前回、西川頭取の自宅所有地は、金丸系企業「富士緑化」の抵当権(それも貸し手は旧住友銀行)が外れる前である事実を述べ、その異常さを指摘した。
だが、さらに異常なのは、そもそもまだ土地の所有者が富士緑化だった時期、すでにこの富士緑化が取得したサラ地(約125坪)に西川頭取は自宅を建設していた事実である。
右の自宅建物の登記簿謄本コピーをジックリ見ていただきたい。
所有権が登記されたのは、88(昭和63)年8月24日。
だが、その右上の「原因」のところを見ると、建物自体はそれより前、88年1月12日に完成していたことがわかる(矢印あり)。
前回に続き、左側に土地の登記簿謄本コピーをもう一度載せたので、それと見比べて欲しい。
問題の土地の所有権が「売買」を原因に、富士緑化から西川頭取名義に移ったのは88(昭和63)年7月30。ただし、実際に「売買」したのは「原因」のところに記された88年1月20日とされる。
その1月20日より、自宅が完成した時期はさらに前(1月12日)なのだ。
要するに、西川頭取は富士緑化が所有し、しかも、自らがすでに取締役に就任(86年6月より)していた旧住友銀行と取引がある土地に、自宅を建設していたのである。
こんな異常な話は、聞いたことがない。
●担保設定物件に建物新築の場合、本来、融資銀行の承諾が必要のはず
三井住友銀行関係者が語る。
「単に異常というだけでは済まされないことです。
担保物件の上に、建物を新築されたら、もし、融資返済が滞って土地を処分する場合、その上の建物が邪魔になるではないですか。したがって、本来、建物新築の場合、融資した住友銀行(当時)の承諾が必要なんです。もっとも、その銀行の役員が西川氏だから、そういう手続きを踏まなかったのでしょうが……。
それに通常、土地とその上に新築した建物の所有者は同じでしょうから、その場合、新築した建物はより返済を確実にするため、追加担保として共同担保設定すべきところなんです」
●富士緑化の旧住銀との取引支店は、問題の土地融資支店とは別
さらに奇っ怪な事実を、前出・同行関係者が明かす。
「富士緑化の当時の取引支店は、麹町支店なんです。
それが、なぜ、この土地についてだけ赤坂支店なのでしょうか?」
以上のような数々の事実を見て来れば、この土地はそもそも西川頭取への“プレゼント”のために富士緑化が購入したものなのか? とさえ思ってしまう。
2005年1月2日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ
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