「ロッテ23-2広島」(11日、千葉)
何点取られようが1敗は1敗、そう思って気持ちを切り替えよう。悪夢の始まりは広島・大竹の乱調だった。三回途中、7失点でKOされると、六回はリリーフ陣が大炎上。プロ野球タイ記録となる10打数連続安打とプロ野球ワースト記録となる1イニング15失点。歴史的大敗となった。
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スコアボードの六回裏に入った「15」の数字。合計得点「23」も光っていた。55年6月22日の巨人戦での25失点の球団記録に次ぐ、23失点での大敗だったが、ブラウン監督は「ラグビーみたいな試合だった。わたし以上に疲れている人はいないでしょう。ベンチで見ていて非常に辛かった」と言ったが、その表情はむしろサバサバしていた。
大竹の序盤でのKO劇が、悪夢の序章だった。そして六回、信じられないことが目の前で次々と起こった。
一死一塁から井口の中前打に始まり、橋本、サブロー…、そして打者1巡して里崎が中前適時打を放つまでプロ野球タイ記録の10打数連続安打を浴びた。さらに森が代走・堀に中前適時打を浴びて、この回15失点目。これまでの1イニング13失点の記録を更新するプロ野球記録の悲劇…。午後8時に始まった守備は、約50分間におよんだ。
三回途中から登板し、六回に捕まった2番手の小松は「準備はしていたけど、この反省を次ぎに生かしていかないといけない」。ドーマンのあとを受けて登板した森も、5安打4失点と踏ん張れず「出してもらったところで抑えないといけないのに。力がなかったのかな」と申し訳なさそうに振り返った。
試合前まで12球団3位のチーム防御率3・10だった強力投手陣も、記録的な23失点で3・44の5位にまで下がった。屈辱の1敗ではあるが、1敗は1敗。ブラウン監督は最後まで声を枯らして応援していた左翼席のカープファンへ「ファンは素晴らしかった。今日の勝者は間違いなくカープファンだ」と“感謝”の言葉を忘れなかった。
交流戦首位のソフトバンクも敗れたため、変わらず1・5差にピタリとつける。これだけの負けっぷりなら、諦めもつく。すべてのうみを出したブラウンカープが、次カード西武戦でこの悔しさを晴らす。