リニア中央新幹線の建設問題で、県議会が諏訪・伊那を経由する「Bルート」の実現を求める決議をする方向で調整を始めたことが11日、明らかになった。今月に入り、JR東海が「1県1駅」を表明するなど問題が動きをみせる中、改めて議会として意思を示し、Bルート実現に影響を与えたい考えだ。
同日の県議会公共交通対策特別委員会で「議会の意思を改めて表明すべきだ」などと以前から求めてきた「Bルート」の実現を求める提案が出され、明確な反対意見は出なかった。
今後、各会派で議論し、7月1日の同委員会で意見集約。6月定例会最終日の7月3日にも決議案を可決する見通しだ。
県議会事務局によると、県議会は89年、90年、97年の3度、国にBルートの実現を求める意見書を可決。しかし議会としての意思を対外的に表明する「決議」は初めてとなる。
リニア建設を巡り、JR東海は南アルプス貫通の「Cルート」を念頭に置いている。5月から県内で地元説明会を始め、今月8日には松本正之社長が「(途中駅は)1県に1駅」「建設費は地元負担を求める」などと明言した。県や地元自治体は一貫してBルートを求めている。【竹内良和】
毎日新聞 2009年6月12日 地方版