2009年6月9日12時27分
新銀行東京(東京都新宿区)を舞台とした不正融資事件で、詐欺罪に問われた同行池袋出張所の元行員、青木千代美被告(57)の判決が9日、東京地裁であり、市川太志裁判長は「分け前欲しさから犯行に及んでおり、動機に酌むべき事情はない」として、懲役3年6カ月(求刑懲役4年)を言い渡した。
市川裁判長は、青木被告が融資申請書類の改ざんを具体的に指示するなど、犯行の中核的な役割を果たしたと指摘。「計249万円の分け前を得ており、多額の公金で設立された同行の行員だったことをかんがみると社会的影響も見過ごせない」と述べた。
判決によると、青木被告は融資を仲介したブローカーらと共謀し、06年9〜11月、経営実態のない給排水設備工事会社と自動車部品販売会社の決算報告書を改ざんするなどして、同行から計約1億円をだまし取った。
同行をめぐっては、同行上野出張所の元行員小川康之(やすし)被告(53)が、返済能力のない広告企画会社を不正融資の受け皿にし約5千万円をだまし取ったとされる別の不正融資事件も起きた。詐欺罪に問われている小川被告やブローカーら4人の初公判が同日、別の法廷で開かれ、小川被告は「共謀したことはなく、(融資先に)返済能力がないとも思わなかった」と起訴内容を否認した。