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河村・名古屋市長、人事は苦手? 登用失敗続きに苦言も(1/2ページ)

2009年6月13日0時2分

 名古屋市の河村たかし市長が、人事で立て続けにつまずいている。12日に発表した6月補正予算で、新たに政務秘書を新設する条例案を示したが、当初就任が想定されていた衆院議員時代の第1秘書の人事は白紙に戻した。9日には、河村市長のブレーンで、市経営アドバイザーのまとめ役の後房雄氏が、就任からわずか1カ月で辞任を表明したばかり。相次ぐ人事の失敗に、支援者からも「脇が甘い」と苦言がでている。

 河村市長は12日、政務秘書ポストについて「想定した人物はいません。制度と人選は別個」と説明。空白のまま条例案のみを提出する考えを示した。また、第1秘書については「彼をあてるとは一言も言ってない」と否定した。

 しかし、市の関係者は「元々、第1秘書を処遇するためのポストだった」と漏らす。第1秘書は、衆院議員時代から河村氏を支え続けた「右腕」とも言える存在。市長に当選した後も、市役所に出入りし、市長と行動を共にしていた。だが、市議会から「公私混同」との批判が出るなどして、見送らざるをえなくなった。

 政務秘書の新設は6月議会での議決が必要になるが、「市長の給料を減らしても、新たに秘書を作るのでは一緒。ポストを新設する意義も分からない。賛成しかねる」(ベテラン市議)との声が上がるなど、成否も微妙な情勢だ。

 一方、市経営アドバイザーを「一身上の都合」で辞任した後氏は、河村市長が4年前の市長選に一度出馬表明をした時も政策づくりに携わった旧知の間柄。5月に就任させた11人の経営アドバイザーも、ほとんどが個人的な知り合いで「お友達内閣」との批判も上がっていた。さらに、市幹部から「市長から指示されれば、自分たちはきちんと実行しようとするのに、さらにアドバイザーを置く意味が分からない」と不満が出ていた。政策をスムーズに進めるためのブレーンのはずが、政策実現の障害になっている部分もあった。

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