医学的視点による公平な審査を−産科補償審査委が初会合
日本医療機能評価機構の「産科医療補償制度審査委員会」は6月12日、初会合を開いた。戸苅創委員長(名古屋市立大学病院長)は冒頭のあいさつで、「医学的な視点による、妥当性の高い、公平な審査を行うという重要な役割を果たしていきたい」と述べた。
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「産科医療補償制度」では、分娩に伴い重度の脳性まひを発症した新生児やその家族に補償するとともに、原因分析や情報提供を行う。
補償の対象になるのは、「出生体重2000グラム以上かつ在胎週数が33週以上」または「在胎週数28週以上で分娩に際し所定の要件に該当した状態」で出生し、「身体障害者等級1、2級相当の重度脳性まひ」を発症した新生児。遺伝子異常など先天性の要因によって発症した脳性まひなどは対象外となっている。
同委員会は、補償対象か否かを決定することを目的に設置され、産科医や小児科医らを含む15人以内の委員で構成されている。
補償対象と認められた場合、看護・介護を行う基盤整備に必要な一時金として600万円、看護・介護費用などとして2400万円を脳性まひ児が成人するまで分割給付する。
初会合の意見交換では、楠田聡委員長代理(東京女子医科大母子総合医療センター教授)が、「百パーセント確実な人だけをわれわれが通していれば、本来なら対象になる人が通らない可能性がある」と指摘。「正確性は問われる」と前置きした上で、補償の対象はそれなりに広げるべきとの考えを示した。
また、浅井尚子委員(富山大名誉教授)は、「私どもは充実した制度であってほしいと願っているが、今の段階ではすべての脳性まひの子を補償できる形ではない」とし、補償の対象が分娩に係るとの前提を周知する必要性を指摘した。
これに対し戸苅委員長は、「すべての脳性まひのお子さんを救済するわけではないということを周知しながらご理解いただいて、前に進んでいきたい」と述べた。
更新:2009/06/12 22:01 キャリアブレイン
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