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きょうのコラム「時鐘」 2009年6月12日
きのうは入梅。県内は既に梅雨に入り、どんよりした空が続くが、それを切り裂くようにツバメが飛ぶのを見ると、うっとうしさが和らぐ
剣豪・佐々木小次郎に秘技「つばめ返し」がある。急旋回するツバメの姿をまねたとされ、チャンバラごっこでも人気を集めた。が、棒切れを勢いよく振り回さなければならず、大概ヘトヘトになった ツバメは時速200キロ近い速さで飛ぶ。旧国鉄の特急の愛称として親しまれ、九州新幹線が名を受け継ぐ。鳥の名を愛称にする列車は多い。北陸でも「しらさぎ」や「はくたか」が走る。「雷鳥」も、その奇妙な英語名の「サンダーバード」も関西圏を結ぶ 特急「雷鳥」は、生息する立山のふもとまで行かず、いまは金沢止まり。寸足らずの愛称だが、先ごろ白山で1羽の雌が目撃された。とっくに絶滅したはずなのに、どうして姿を現したのか。謎は残るし、すみ着いたと喜ぶのも早いが、夢は膨らむ もう一度繁殖してくれないだろうか。そうなれば、長野、富山、石川で、そろってライチョウ自慢ができる。北陸新幹線にも「雷鳥」の名が似合ってくる。 |