東レ経営研究所は12日、新型インフルエンザが全国規模で発生して幼稚園や小学校の休園・休校が増えた場合、親が子供の面倒を見るために欠勤することで企業の経済的損失が2011億円に上るとの試算を発表した。
自宅待機の子供を世話するため、共働き夫婦はどちらか一人が欠勤を余儀なくされ、企業側は業務の中断や代替要員の確保などの負担が生じる。
同研究所によると、新型インフルエンザが集中した兵庫県と大阪府の場合、兵庫で93%、大阪で46%の園児や児童が1週間前後休み、企業の損失は兵庫が126億円、大阪が82億円に上った。同様の事態が首都圏で起きれば、企業の損失は570億円、全国では2000億円超に達するという。
さらにウイルスが強毒性になった場合、子供の自宅待機が長引くため、損失は10~100倍に膨らむという。同研究所は「突発的な事態に備えて、企業側は在宅勤務制度の導入拡大などを進める必要がある」と指摘している。【小倉祥徳】
毎日新聞 2009年6月12日 21時19分