静岡県知事選:小沢代表代行、民主系2候補の一本化を断念

2009年6月11日 21時33分 更新:6月12日 13時59分

 民主党の小沢一郎代表代行は11日、静岡県知事選(7月5日投開票)に関し、民主党系の支持基盤を持つ2候補の一本化について、「両者とも高いレベルに立った判断をしてくれない。現時点では両陣営それぞれやっていただく」と述べ、事実上、断念を表明した。高知県仁淀川町で、記者団の質問に答えた。

 鳩山由紀夫代表は11日、党本部で記者団に「国政に大きな影響を与える選挙だ。候補者を推薦できるよう小沢代行が努力されており、必勝態勢で臨みたい」と強調したが、小沢氏は「どちらに(推薦を)出しても勝たなきゃ仕方ない」と述べ、党本部推薦を見送る可能性も示唆した。

 民主系の候補は、県連が推す元大学学長の川勝平太氏と、元同党参院議員の海野徹氏。小沢氏は「一本化すれば必ず勝てる」と自ら調整に乗り出す考えを示し、両候補や関係者らと接触を重ねたあげくの断念表明となった。これを受け、岡田克也幹事長は14日に検討していた静岡入りを見送った。

 小沢氏が選挙担当の代表代行就任後に取り組んでいる候補者調整は、難航が続く。

 名古屋市長に転身した河村たかし氏の後継となる衆院愛知1区の候補者選びでは、9日に小沢氏が名古屋入りし、地方議員らとの会合後に女性県議の擁立を発表する段取りだったが、一部の議員が河村色の強い人選に反発。記者会見場で候補者の経歴などを記した配布資料を県連が慌てて回収するドタバタ劇もあった。

 党内には「小沢氏の影響力にも陰りが見えた」とささやく声もある。【渡辺創】

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