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「ブログ」市長、対決第一幕 市職労事務所に退去通告(2/3ページ)

2009年6月12日16時38分

写真:市職員労働組合事務所の庁舎使用を取り消すための書類に決裁印を押す竹原市長=11日、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す市職員労働組合事務所の庁舎使用を取り消すための書類に決裁印を押す竹原市長=11日、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す

写真:事務所に張り出された市庁舎からの退去通告書を背に無念の表情を浮かべる大野裕人書記長(手前)と落正志委員長=11日午後5時48分、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す事務所に張り出された市庁舎からの退去通告書を背に無念の表情を浮かべる大野裕人書記長(手前)と落正志委員長=11日午後5時48分、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す

写真:組合の事務所に向かって「自治労は出て行け」と声を上げる竹原市長派の市議や市民=11日、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す組合の事務所に向かって「自治労は出て行け」と声を上げる竹原市長派の市議や市民=11日、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す

 エスカレートする一方の事態に、市民からは「この対立は異常」「なぜ話し合いで解決できないのか」と、不安がる声も聞かれた。

 竹原市長は自身のブログでも、市職員の給与などの待遇を巡り「市長と議員が職員組合と癒着してきた結果」などと市職労を批判してきた。

 「早期退職制度を使って52歳で辞めた給食センターの女性職員の退職金が3800万円やっど(だよ)。民間なら無理」

 いま、市民の間にはそんな話が飛び交い、市長は「自治労が議員の勉強不足に乗じて、民間とかけ離れた仕組みをつくった」と説明する。

 国家公務員の月額給与を100とした場合の地方公務員の給与水準を示すラスパイレス指数で見た場合、08年度の阿久根市は94.9。全国の市の平均の98.3を下回り、県内18市中、下から3番目だ。市職労は「他と比べ高くない」と主張しているが、市長は「そもそも市職員の給与と国家公務員を比べる仕組みが疑問」と攻撃を緩めない。

 市職労側は市長選前の4月下旬から「本当のところを知ってほしい」と題したビラ4種を市中心部の世帯に配布。「98年度から全職員の昇給を停止している」「今年5月からは2〜8%の給与減額をしている」などと記し、市民に理解を求めているが、まちでは市長の「改革」に期待を寄せる声も多く聞かれる。

 市長は公約の中で「20億円ある職員給与費を半減する」と唱えた。19年度決算を元にした市財政課の試算では、8億円を削減しようとすると、1人あたり約633万円だった市職員の平均給与を約300万円下げる必要がある。

 市職労が合意しなくても、市長提案の条例案が市議会で可決されれば人件費の削減はできる。市長は就任後の会見で「市民からの信頼をやりがいにする職員に変えれば、人件費問題は簡単に片づく。ハートが重要」と話しているが、市長寄りの市議でさえ「いきなり半減は無理。仮にそんな提案があってもにわかに賛成はしにくい」と慎重姿勢だ。

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