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「ブログ」市長、対決第一幕 市職労事務所に退去通告(1/3ページ)

2009年6月12日16時38分

写真:市職員労働組合事務所の庁舎使用を取り消すための書類に決裁印を押す竹原市長=11日、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す市職員労働組合事務所の庁舎使用を取り消すための書類に決裁印を押す竹原市長=11日、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す

写真:事務所に張り出された市庁舎からの退去通告書を背に無念の表情を浮かべる大野裕人書記長(手前)と落正志委員長=11日午後5時48分、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す事務所に張り出された市庁舎からの退去通告書を背に無念の表情を浮かべる大野裕人書記長(手前)と落正志委員長=11日午後5時48分、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す

写真:組合の事務所に向かって「自治労は出て行け」と声を上げる竹原市長派の市議や市民=11日、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す組合の事務所に向かって「自治労は出て行け」と声を上げる竹原市長派の市議や市民=11日、鹿児島県阿久根市役所、三輪写す

 「ブログ市長」として知られ、市議会の不信任決議に伴う5月末の出直し市長選で再選された鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)が11日、市庁舎にある市の職員労働組合事務所に対して使用許可を取り消し、1カ月以内の退去を通告した。公約した「市役所改革」がいよいよ第一歩を踏み出した形だが、組合側は反発し全面対決の様相だ。強引にも映る「竹原改革」の第2幕は実を結ぶのか。

 「市職労事務所は長年使用料や光熱費を払っておらず、不当な便宜供与。市民の役に立っていない」

 竹原市長は11日の記者会見で退去を迫る理由をこう説明した。市は午後5時ごろ使用許可を取り消す文書を市職労に渡し、別館にある事務所入り口2カ所に張り出した。

 市職労の落(おち)正志委員長は「あまりに理不尽で唐突。上部団体とも協議し、法的手段も考慮し対応策を講じたい」と怒りをにじませた。

 市職労の事務所退去は市長の公約だ。再選後の1日の記者会見でも「自治労は背任組織」と切って捨て、まず第一に実行するとしたのが「事務所撤去」だった。

 市職労側は「公務員の職員組合事務所は他の自治体でも役所敷地内にある」と主張する。実際、鹿児島県内では組合がある県と35市町村の事務所はすべて庁舎や敷地内にある。しかし、竹原市長は「阿久根のかたちは阿久根市民が決める」と、意に介さない。

 この日夜には、事務所撤去に向けた市長と市職労の団体交渉が予定されていた。市民も含めた公開による団交を望む市長に市職労が難色を示したことで中止となり、市長側が退去通告を強行した。

 組合事務所前には午後6時ごろから、市長を支持する市議や市民が「自治労は阿久根から出て行け」などのプラカードを掲げて、シュプレヒコールを上げた。

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