2009年06月12日

●Mini 3 Again:ALO Double Mini 3 レビュー



以前、Rockhopper版のMini 3を購入し使っていました。
http://jazpoder.blog101.fc2.com/blog-entry-130.html#more
今回は米国のAudio Line Out社によって手直しされたMini 3です。
Audio Line Out社の日本代理店となったHIGH FI International様のご好意により、
試聴機の貸し出しを頂きました。

写真追加掲載は夜行います。

お断りと本音:
本Blogではメーカー様や代理店様から借り出したものについても
良いところ、悪いところをなるべくスッキリ・クッキリ書かせて
貰っています(そう努力してます)。
商業誌だと広告関連の問題もあって書けない事が多々ありますが、Blogでは
そういう事を抜きにしてやりたいと思っています。
(商業誌での実体験です)
ただし、悪いからダメとか糞とか(食事中の方、失礼)書いても後がありません。
まだ狭く小さな世界ですから、より良い製品やサービスになって欲しいという
そうなるような前向きな指摘でなければならないと考えています。
(何書いても良いよ という太っ腹な代理店さんビルダーさん、大歓迎です)

取り扱い代理店であるHIGH FI International様からの貸し出しでは
ありますが、失礼にならぬ範囲で書きたい事は書かせて貰っています。

ということで早速外観チェックから。
Rockhopper版との違いとしては外見が黒!
ケースは同じHammondで、前面・後面ともに綺麗な仕上げです。
間違ってもRockhopper版みたいなネジ穴がずれてたりということはありません。
Rockhopper版は手作り感で一杯でしたからね(苦笑)
大きさ的にはipodよりも幅は狭いし、全長も短く携帯時には問題になりそうな
感じはありません。nanoとも合いそうじゃないですか?
ただし指紋というか手油が付着しやすい気がします。気にする人は気になるところでしょう。
RSAの表面仕上げの方が同じ様なマットブラックでもより高級感があり、指紋も残り
難いと思います。

内部的にはコンデンサを「Black Gate」に変えてあるそうです。

を 本とだ。立っているコンデンサーが「Black Gate」です。
基盤はAMBから仕入れてるんでしょうか?

開腹する際にはインチの6角レンチ 7/64をご用意下さい。
(自宅にこれに合うものがなくて買い足しましたよw)
後ろの六角を取り、前面はプラスドライバで良いです。後ろから前へ押し出してください。
電池をMAHA-8.4Vに取り替えようとしたら厚みが障害となって入りません。
これはRockhopper版から全く変わっておりませんでした(笑)
Mini 3はもともと充電機能付きですので、付属のアダプターで充電出来ます。
無理に開腹する必要は無いでしょう。
ただし、今回は本体のみの貸し出しとなっており充電を試してはいません。
このため駆動時に使用した電池はDLGの9Vリチウムイオン220mAhです。
(電圧が違う為に音への影響が多少懸念される)
内蔵されていた電池はTYSONICの9V 250mAhでした。
ALO Double Mini 3の稼動時間は、6から8時間。これはちょっと短いですね。
Rockhopper版から音質を上げる努力がされているとはいえ
これは如何なものでしょうか?
私がRockhopper版を買ったときにはAccupowerの8.4V 270mAhで
10時間程度は動きました。
現在は9V 300mAhを搭載しているとのことですから電圧分また音も変わって
いそうです。
最低限10時間程度は動いて欲しいと思います(40時間とか言いません)。
駆動時間はRockhopper版よりも短くなっています。

入出力、インターフェイスの位置を見てみましょう

ボリュームの隣にヘッドフォン/イヤホンプラグが刺さるアンプも割と多いのですが、
実はボリュームにL字プラグが干渉したりすることもあって私はボリュームの隣に
L字イヤホンプラグを刺すのは敬遠したい方です。
ALO Double Mini 3ではボリュームの隣は入力部ですからカナレ等の太い
プラグで無い限りは干渉することがありません。
貸出機の問題か否かわからないのですが、ボリュームが11時位から引っかかります。
若干のガリノイズも見られます(これは良く無いです)。
最近の高能率IEMでは余り回さなくとも結構な音量になりますが、これがかえって
ボリュームのギャングエラーなんかと絡んでしまいます。
この点ALO Double Mini 3は須山IEMでも11時近くまで回して適正音量でしたから
中々分かっているなと思います。
ホワイトノイズは気にならないと思います。これはRockhopper版Mini 3よりも
明らかに改善されている部分です。合格。

ヘッドフォンも鳴らせるよ! との事なのでGRADO SR225iを繋いで聴いてみました。
普通に鳴らせています。
申し訳無いのですが、ヘッドフォンはGRADO SR225iのみです。
HD-25はいつも買わねばと思うんですがまだ買ってません。
325の新バージョンとかも欲しくて。GRADOはオープンだからHD-25の方が先か?

試聴へ:

それではいつもの須山IEMにて聴いてみます。
実は、ケーブルが通常品ではありません。
現在提供されているものは音楽性よりも耐久性に重きを置いたものです。
警察無線に使用されていてラフな扱いに耐える物が使われています。
その為に音楽性は犠牲になっています。
リケーブルな動きが内外にあったため導入が予定されている物があり
その先行試作ケーブルをこの数ヶ月使わせて頂いております。
準備が整い次第正規のアナウンスがあると思います。
そうですね、高音と低音が良くなってますよ。コネクタは変わっていません。
直ぐ付け替え出来ます。
写真ではベージュというか淡いピンクですが、提供されるものは黒でしょう。
これについてはこれ以上はノーコメンツということで。

Dockケーブルは各種試しましょうかね。
インパルスオーグライン(Pt)、JS-Dockキンバー、同ベルデン、DockSTAAR ADQ
DockSTAAR Augptで聴いてみます。JS-Dockは既に2年近く前の物ですが、ご容赦。
メインはどうしてもJazzになってしまいますが、OFF会の様子を見ていると
アニソンも大分聴かれて居るようなので「トライアングラー」を聴いてみます。
全部ロスレスです。

手始めにDiana Krallの「All For You: A Dedication To The Nat King Cole Trio」を
聴いています。全体的にノリの良い聴いていて楽しいJazzアルバムです。
奥行きがあって、とても綺麗に聴かせてくれるアルバムです。
お気に入りの「I'm An Errand Girl For Rhythm」
ヴォーカルと途中に伴奏ソロも含まれている曲でノリが良いし、コブシが効いた
部分もあります。
一番良いと思うのはDockSTAAR ADQ。次はオーグラインPtですね。オーグとオーグPt
では、中域のトップが一段違うのが分かります。ベルデン・キンバーはしっとりと
聴こえます。ADQで良くなるってのは、ちょっと反則じゃないのかなと思います。
今、ヤフオクとかもそうですがオーグが流行りですよね。
オーグが悪いとは言いませんが、オーグで終わりじゃモッタイナイですわ。
オーグPtはすっきりし過ぎな所もあってジャンルによっては味気ない場合もあります。
塩気の無い塩ラーメンというか、コリアンダー風味の無いヒューガルデンというか。
Mini 3というとRockに向いたタイトな低音というのが私がイメージなんですが、
低音が前面に出過ぎてはいませんね。そのまんま低音が強調されていたらJazzだと
だめだろうなと思ったんですが、Mini 3と同じに考えていると良い意味で
裏切られると思います。低音がデシャバラナイで中音域と滑らかに繋がってます。
Lyrixの根暗な低域とはまた違うクリアっぽい感じです。

じゃ、Mini 3が得意と言われるRockは?:
何にしましょうか。古いけど割と良く比較で使う「I Was Born To Love You」でも。
CM等でも良く使われるノリの良い曲です。冒頭から2分50秒位で行きましょうか。
好きなので全部聴いてしまいそうになります。
Js-Dock金歯じゃなくてキンバーいい感じです。低中域が特に
どなたかキンバーやベルデンのDockやってくださいよ。オーグばっかりじゃなくて。
Mini 3 っぽいと思わせてくれる低中域ですね。とてもいい感じです
オーグPtだとちょっと高音が痛い気がします。聴き疲れしそう。低域はちょっと大人しく
感じますね。オーグPtの後にオーグだと高域が詰まって聴こえてしまいます。
これはどのアンプでも出ちゃいますかね。
ADQは合わないかもしれません。なんかキンバーの方が低中の鳴りが良いですわ。
面白いものです。
Headstage Lyrix+ADQで聴いたほうがこの曲は良いですね。低域でははっきり差が
出てます。これは分かりやすい差でしょう。高域でも負けてる気がしません。
アタック感というのかパンチ力というのか、これはLyrixの勝ち。
Mini 3のMini 3足るべきRock適正を捨ててバランスを取っているのでしょうか?
ダメという訳ではないのですが、Lyrixに負けてるのはハッキリクッキリ分ります。

アニソン:
「トライアングラー」です。他無いので・・・。
んーなんというか、Diana Krallのアルバムと比較するとその出来自体が悪すぎます。
もしかしてこの曲って意図的に厚みを持たせてないとか無いですかね?
ノリは良いですけれど、もう少し予算掛けてアルバム作ってあげても良いんじゃない
でしょうか。ま、本筋じゃないのでこの位にしておきますけれど。
Lyrixみたいに低域が強くないので合ってそうに思います。オーグPtが良いと思います。
Lyrix+オーグPtだとドラムのタイトな所は良いんですが、低域目立ち過ぎ(ADQでも同じ傾向)。
このバランスを取ってるのでしょうかALO Mini 3は。
J-POP一般にも適正があるかも知れませんね。

Mini 3の低域部分と中域のバランスを取ることを目指している気がします。
低域にパンチ力を求めるにはちょっと物足りないかも知れません。
そういう意味ではMini 3なんだけど、Mini 3っぽく感じられない部分もあります。
低中域の滑らかな所が好きな人には良いかと。
セットで使うDockケーブルはオーグが無難かもしれません。
オーグなら、ヤフオク等でもかなり出ていますから入手性は高いでしょう。
この辺、Dockケーブル関連情報も以前取り上げていますのでご一読下さい。

 ・店頭で買えるDockケーブル
 ・Dockケーブル販売状況レポート

価格について:
Rockhopper版Mini3は150ドルで、ALO Double Mini 3は270ドル。
この価格差分の価値があるのか? ここが気になる所だろうと思います。
確かにMini 3よりも良いところはある。それは理解できます。
でも270ドルは無いんじゃないかと思います。
ALOのKenさんに120ドルの付加価値はどこにあると考えているか聞いてみたいですね。
ALOにメールしますよこれ!(返事があり次第追記します)

日本での価格は27,000円となってますが、これは結構がんばってますね。
ALOの値付けは仕方ないとしてもHFIさんの価格は努力を感じさせてくれます。
27,000円は最初の1台としてはちょっと冒険かもしれません。
(私の初めてだったC&C XOは200ドル弱)
もう少し安いアンプを買ってもう少し興味が出て来たらステップアップとして手にしてみると
良いのではないかと個人的には感じましたが、皆さんはどうでしょうか?

付け足し:
最強のポタアンはなんですか? とか聞いて 直ぐRSA-71Aとか買っちゃう様なやり方は
私は好みではありません。人の金ですから、グチャグチャ言いたく無いですけれど
もう少しゆっくり楽しみませんか? 自分のペースで自分のお金使って聴いて
ゆく事で噂(当Blogとか)に惑わされたりしない自分の好きな音が出来てゆくと思います。
オークションで高騰するアンプなんかを見ていてそう感じました。
蛇足でしたら読み飛ばして、忘れて下さい。

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