現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事

竜巻?鳥?いたずら?「空から魚」ミステリーで町大騒ぎ(1/2ページ)

2009年6月11日23時42分

図:  

写真:約100匹のオタマジャクシが見つかった中島市民センター(後方)近くの水田でエサを探すアオサギ=10日、石川県七尾市中島町、大畠正吾撮影約100匹のオタマジャクシが見つかった中島市民センター(後方)近くの水田でエサを探すアオサギ=10日、石川県七尾市中島町、大畠正吾撮影

写真:車のフロントガラスに落ちたオタマジャクシ=4日、石川県七尾市の市中島市民センター、同センター提供車のフロントガラスに落ちたオタマジャクシ=4日、石川県七尾市の市中島市民センター、同センター提供

写真:中島市民センターに落ちていたオタマジャクシ。脚が出かかっている=4日夕、石川県七尾市中島町中島、同センター提供中島市民センターに落ちていたオタマジャクシ。脚が出かかっている=4日夕、石川県七尾市中島町中島、同センター提供

写真:落ちてきたとみられる小魚を手にする近江幸雄さん=10日、石川県中能登町能登部上、大畠正吾撮影落ちてきたとみられる小魚を手にする近江幸雄さん=10日、石川県中能登町能登部上、大畠正吾撮影

 なぜ、空からオタマジャクシが降ってきたの? 石川県内で4日から9日にかけて相次いで起こった「ミステリー」の答えを求めて、現地には多数の報道陣が訪れ、地元住民も「少雨が関係しているのかも」と謎解きに頭をひねる。竜巻、サギ、カラス――。様々な説が浮上しているが、まだ決め手はない。

 「仕事にならないので弱っている。ただ、真相がわからんほうが夢があっていいか」。約100匹のオタマジャクシが見つかった石川県七尾市の中島市民センターの樋口政幸所長(57)は話した。

 これまでセンターを訪れた取材陣はテレビや新聞など延べ約20社。電話での問い合わせも相次いでおり、「オタマジャクシ担当」として職員2人がほぼ専従で対応している。その1人、水上和夫参事(55)は「金の延べ棒でも落ちてくればいいが。周りにたくさんいるオタマジャクシではここでは驚かん」と疲れた表情で話した。

 車のフロントガラスなどについたオタマジャクシはすでに洗い流した。地面に落ちたものは干からびたり、踏まれたりして今はほとんど原形をとどめていない。

 一方、フナと見られる小魚約10匹が見つかった同県中能登町の住宅街。自宅で小魚を見つけた近江幸雄さん(78)は「ふつうじゃ考えられないこと。えらい世の中になったもんじゃ」。数匹を冷蔵庫に入れて保管しているという。

■珍事、英国でも

 空から魚が降る「珍事」は00年に、英国でも起こっている。当時の気象当局は、海で発生した竜巻により、海面近くにいた魚が海水とともに巻き上げられ、地上に落下した、との見方だった。

 英国ではそれ以前にも、カエルや魚が降る現象の報告があったという。

 竜巻説は石川県の事例にも当てはまりそうだが、専門家は疑問点を指摘する。東京大の新野宏・海洋研究所教授(気象学)は「気象現象で考えれば、竜巻だろうが、同じ県内で数日間に何回も起こるとは考えにくい。秒速数十メートルで地面にたたきつけられたはずなのに、オタマジャクシなどは原形のまま。周辺の被害もなく、竜巻では説明できない点も多い」。小林文明・防衛大准教授(気象学)も「オタマジャクシや小魚だけというのは不自然だ」と話す。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内