第８０回都市対抗野球：県２次予選・第１代表決定戦　日産・三菱重、再試合　／神奈川

　◇美技、力投５時間−−日産、三菱重きょう再試合
　第８０回都市対抗野球大会県２次予選（県野球協会、毎日新聞横浜・川崎支局主管）は１１日、横浜スタジアムで第１代表決定戦があり、日産自動車と三菱重工横浜が対戦。試合時間５時間２分の延長戦の末、引き分け再試合となった。１２日午後６時から再戦する。決定戦は、度重なる美技にも支えられて両チームの投手陣が力投を見せた。敗者復活３回戦では新日本石油ＥＮＥＯＳが東芝に劇的な逆転サヨナラ勝ちを収め、第２代表決定戦に進んだ。【川端智子、中島和哉】
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　▽第一代表決定戦
日産自動車
　　００００００００００００００００＝０
　　００００００００００００００００＝０
三菱重工横浜
　（延長十六回、大会本部の決定により再試合）
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　第１代表決定戦の先発は日産・石田、三菱重横・門西。両投手とも持ち味を発揮して得点を許さない。守備でも両チームともファインプレーが続出し、華麗な守備で力投を支えた。三菱重横は九回に亀川へ、日産も十回から秋葉へ継投、エース級を繰り出して一歩も譲らない。息詰まる投手戦が深夜まで続いた。
　◇魂と魂のぶつかり−−日産自動車・久保恭久監督
　どっちも意地の張り合いだった。必死同士、魂と魂のぶつかり合いになった。こんな都市対抗の試合は初めてじゃないか。最後まで残ってくれた観客にも感謝します。
　◇これが都市対抗だ−−三菱重工横浜・松下安男監督
　ここまで厳しい試合は初めて。投手２人が頑張り、打撃はあと１本が出なかったが、これが都市対抗の神奈川県予選だ。気持ちを切り替え、みんなで一つになって第１代表を取りに行きたい。
　◇ネット仲間と応援
　○…ＮＩＳＳＡＮの自作のペイントシールを顔に張り、試合の様子を細かくメモするのは東京都日野市の会社員、宍戸敏生さん（４１）。インターネットの交流サイト「ミクシィ」内の日産野球部応援コーナーを３年前に開設した管理人だ。集まったミクシィ仲間１０人と声援を送った。２月の「休部」決定後、野球部公式ホームページは更新が途絶えたため、一層コーナーの情報更新に力を入れている。「東京ドームで全国の仲間と集まりたい。最後まで力いっぱい頑張ってほしい」
　◇「明るい姿に安心」
　○…第１代表決定戦前の始球式は、県野球協議会の藤木幸夫会長（７８）が務めた＝写真。送球は惜しくもワンバウンドだったが、藤木会長は「社会人野球に対して経済面など世相は厳しいが、選手の明るい姿に安心した」と笑顔を見せた。式に先立ち、スタジアム上空に毎日新聞社のヘリコプターが飛来し、朝比奈豊社長の祝辞とボールをグラウンドに投下すると、スタンドから歓声がわいた。
　◇「恩人」相手に大舞台で好投−−日産自動車・石田祐介投手（２６）
　マウンドを同期の秋葉知一投手に託す時、「頼んだぞ」とボールを手渡した。投球回数九回３分の２、７奪三振、無失点。打たせて取る投球がさえる。「恩人」相手に大舞台で成長した姿を見せた。
　入社５年目。新人時代は練習についていくのがやっと。先輩たちのヤジに、どんどん萎縮（いしゅく）し結果を出せなくなった。昨季は県予選にも出られず内心「もう辞めようか」と思ったほどだ。本大会に出場するチームに補強選手として加わった三菱重工横浜・門西明彦投手に相談すると、こう言われた。「おまえはスピードも変化球も自分より上だ。自分が勝てるのは気持ちだけだ」
　気持ち。その言葉に目が覚めた。避けてきた打撃投手を買って出て、どんなヤジにもめげず投げ続けた。気付けば「辞めちまえ」のヤジが「今の良かったぞ」の励ましに変わっていた。「自分が変われば、周りも変わる」。成長を実感した。
　決定戦では「恩人」相手に一歩も引かぬ好投。「あの時、本当に辞めなくて良かった」。さらに一回り成長して東京ドームのマウンドに立つつもりだ。【川端智子】
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　◇都市対抗テレホンサービス
　０１８０・９９・４５５８
　試合結果を随時お知らせします。

６月１２日朝刊

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