国土交通省は、ドライバーが酒気帯び状態にある時にエンジンを始動できないようにする「アルコール・インターロック」の普及促進の一環として、「呼気吹き込み式」の装置に関する認定制度を創設する。2007年にまとめた技術指針案を10年度中に正式な指針とした後、早期に具体化する。技術指針に適合する製品を認定、公表することで、ユーザーの適切な商品選択と普及促進を後押しする。
国交省では、政府の飲酒運転根絶への取り組みの一環として、欧米で先行するアルコール・インターロックの活用を想定。日本に導入するための機能や耐久性などを検討し、07年末に技術指針案を策定した。今後の技術開発の可能性や呼気吹き込み特有のわずらわしさなどを踏まえて、装着の義務化ではなく任意の装着を前提にしている。
主な内容は、装置の技術基準を欧州で導入されている呼気吹き込み式の基準に整合するよう策定した。作動中のエンジンや電子装置への影響排除、交換可能なマウスピース、検出精度の任意設定機能などが盛り込まれている。また、飲酒常習者などの違反者へ強制的に使用する場合は、アルコール測定濃度や運転操作などを電子的に記録できることなどを追加要件とした。
現在、呼気吹き込み式のアルコール・インターロックは、内閣府が常習飲酒運転者への防止効果などについて検証中だが、この結果を踏まえて、技術指針案を最終化、正式な指針とする。その上で、技術指針に適合する製品をユーザーに周知し普及促進を図るとともに、導入補助などの新たな制度を立案して運用する場合の目安となるよう、装置認定制度を創設する。
[2009年3月31日 14時55分 日刊自動車新聞 ]