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【国際】

メディアに「批判書かず世論誘導を」 中国、パソコンに検閲ソフト義務化

2009年6月12日 朝刊

 【北京=平岩勇司】中国で販売するパソコンに政府指定の「検閲ソフト」搭載を義務付ける当局の措置に対し、マスコミを管轄する共産党中央宣伝部が各メディアに「批判記事を書かず、検閲ソフト支持に世論を誘導する」よう、通達したことが11日、関係者の話で分かった。

 政府への批判を封じ込める中国の情報統制の実態が、あらためて浮かび上がった。

 検閲ソフトは、当局が「有害」とみなすサイトを検索すると自動的に接続を遮断する仕組み。「青少年の健全育成」の名目で7月1日以降に出荷するパソコンが対象。9日に発表されると、ネット上では「人権侵害だ」「民主化情報を遮断する狙い」と批判が出ている。

 これに対し、宣伝部の10日の通知は、各メディアに「旗幟(きし)鮮明に未成年の成長を保護する措置を支持すること」を要求。検閲ソフト搭載措置に批判的な記事の掲載を禁じたうえ、「各メディアが管理するサイトの書き込み欄で、措置に対するユーザーの攻撃的意見を排除する」ことも求めた。

 また、「市民の疑問解消に努める」ため、専門家、父母らを登場させて検閲ソフト賛同キャンペーンを実施するよう指示。これらは「中央指導部の指示の精神に基づく」としている。

 通達を受けたのは、中国国内の新聞、テレビ、ネット媒体など。通達は各メディアの幹部らを集め、口頭で伝えたとみられる。

 10月の建国60周年を控え、当局は社会の安定を最重要課題と位置付けている。北京市内に昨年の北京五輪並みの厳戒態勢を敷く一方、情報統制も徹底する考えだ。

◆仏はネット規制「違憲」

 【パリ=清水俊郎】インターネットで音楽や映画の海賊版を入手した人のネット接続を最高で1年間、強制的に切断するフランスの不正ダウンロード規制法について、仏憲法会議は10日、違憲との判断を下した。5月に成立したばかりだが、仏政府は施行前に法改正を迫られる。

 海賊版を提供した側だけでなく、提供された側も警告3回で厳しく罰する、世界でも珍しい法律だった。同会議は人権侵害にあたると判断した。

 

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