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新型インフル情報に県境の壁 患者足取り公表せず
鳥取県内初の新型インフルエンザの感染確認から一夜が明けた11日、患者の米フロリダ州在住の女児(8)の病状は安定しており、快方に向かっている。二次感染の防止が最大の課題となるが、鳥取県は帰国後の親子3人の詳細な足取りについて、兵庫県との事前合意を理由に公表しない方針。兵庫県も「濃厚接触者はいない」として明らかにしない姿勢を見せており、“県境の壁”が住民への情報提供を鈍らせている格好だ。
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県内での初感染を発表する鳥取県の会見。患者家族の兵庫県内での足取りの説明を求める声が相次いだ=10日夜、鳥取県庁 |
女児は同日朝の時点で体温が36・9度まで下がるなど回復傾向にあり、母親にやや疲れた様子があるものの、家族に症状は見られないという。県は引き続き症状や体温の動向を見守り、専門家の意見を聞きながら退院時期などを検討する。
一方、女児と家族については7日に帰国後、10日早朝まで兵庫県内に滞在しており、9日には兵庫県北部の宿泊施設に泊まっていたことが分かっている。しかし、10日夜の鳥取県の会見で、藤井秀樹医療政策監は「濃厚接触者の調査は兵庫県が行うことになっており、公表すると宿泊施設に風評被害が出て、調査に協力してもらえなくなる」と述べ、宿泊施設の場所や9日までの移動経路の詳細は明らかにしなかった。
この点について兵庫県側も現時点で公表する考えはないと明言。同県の田所昌也疾病対策室長は、宿泊施設の従業員や利用者の追跡調査を進めており、現在までに濃厚接触は確認されていないとし、「国のガイドラインにある二次感染防止のために公表が必要なケースには相当しない」と説明する。
今回は、発生地域は鳥取市とされるものの、実際に発症したのは兵庫県とみられる特異なケース。特に兵庫県北部は鳥取県東部と生活圏域が密接に重なっているだけに情報提供の在り方があらためて浮き彫りになった。
鳥取県の大場尚志防災監は「情報提供についていろいろな考え方があるのは事実。ただ兵庫県内で起きたことに対し、鳥取県ができることには限界がある。兵庫県側が責任を持って対応するとしている以上、任せるべきだと考えている」と主張する。
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