更新おそくなり申し訳ありません。今回の『ダイヤル38』に関して神保町制作の中でも話合いがなされました。沢山のコメントありがとうございます。
そして『劇場監督』である湊裕美子より観客の皆様にコメントがあります。
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観客の皆様へ
いつも神保町花月の“お笑い芝居”を愛して下さいまして、本当にありがとうございます。
楽屋ブログは、あたたかい声援や叱咤激励など、皆様のご意見が満載です!皆様からのご指摘はそのひとつひとつが明日に繋がるものばかりで、劇場をよりよくするために欠かせないものとなっております。若いスタッフはもとより、劇場監督である私自身にとっても参考になることばかり。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
さて、“ダイヤル38”の楽屋ブログでは、皆様をいろいろと翻弄させてしまったようで、ほんとうに申し訳なく思っております。不快な気持ちになられた、すべての皆様には、この場をお借りしてお詫び申し上げます。
神保町花月は次世代を担う若手芸人や作り手を育成するための劇場であり、彼ら自身のための“創作実験劇場”でもあります。“ダイヤル38”は西野亮廣(キングコング)の創作実験劇場作品のひとつでもありました。内容についてのご感想は皆様のこころの中にそれぞれ感じられたままに…と思っております。
ただこれまでも、ストイックなまでに作品と向き合ってきた西野ですが、彼自身、今回ほど命を削った作品はなかったのではないでしょうか。まだまだ稚拙な部分はあるものの、創作に対して妥協を許せないその姿勢が、入場制限という形にもつながったのでしょう。
入場制限については、彼の意見は確かに正論です。ただし、劇場監督としては、正論が常に正しい結論だとも思っていません。状況によっては、いたしかたのない場合もあり、神保町花月では、基本的には入場からお客様の送り出しの有無まで、それぞれの演出にまかせることにしています。今回の場合も西野の方法論であり、彼が選択した、演出のひとつとしてとらえています。
ただ、彼の指摘は劇場の本来のあり方を問いかける石つぶてとなって、波紋を起こしてくれました。劇場の将来を見据えて考える、いい機会になった事は確かです。
また、写真撮影の件ですが、劇場では禁止していることは事実です。以前はやっていましたが、諸々不都合が生じた為、やむなく禁止させていただきました。申し訳ありません。
今回の西野の場合、確かにルール違反だと言われても仕方ありません。
ただ、今回の作品は初めての一人芝居とあって、彼自身、何から何まで一人でやり遂げたという達成感もあり、初日の終演後、すべてを出し切って、楽屋で放心状態でいた彼の耳元に、お客様の声が熱い息使いとなって、熱風のように伝わってきたのでしょう。いてもたってもいられなかったのか、ころがるように走って出ていきました。
彼は純粋にひとりひとりのお客様にお礼を言いたかっただけだと思います。ただそれだけだったのです。その時、お客様の一人がカメラを向けたのがきっかけで、後はもう…。スタッフも止めるタイミングを逃してしまったようです。結果、初日が許されて、後は禁止とはいかなかったのでしょう。
確かにルール違反です。ただし、これはすべて、きちんと対応できなかった劇場側の責任です。本当に申し訳ない結果となってしまいました。あらためて、お詫び申し上げます。
最後に、ブログにご意見をくださいました皆様、本当にありがとうございました。劇場や出演者、公演作品のひとつひとつに、これほどまでに熱い思いを持ってくださっていることを知り、胸が熱くなりました。
神保町花月は7月7日に2周年を迎えます。今後はなお一層、皆様のご期待に添えるよう、劇場スタッフ一同、気を引き締めて頑張っていきたいと思います。これからも、ご声援よろしくお願い申し上げます。
『神保町花月』 劇場監督 湊 裕美子
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ゴールデンウィークの四日間、神保町花月にお越しいただいてまことにありがとうございました。
それでも一人一人の心に残る作品となっていればと思っております。
『ダイヤル38』にお越しいただき改めてありがとうございました。