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【主張】安保理決議合意 実効ある制裁を発動せよ

2009.6.12 02:59
このニュースのトピックス主張

 国連安全保障理事会の常任理事国に日本、韓国を加えた7カ国が、2度目の核実験を強行した北朝鮮に対する制裁措置を盛り込んだ決議案で合意した。

 国際社会は北朝鮮の無法ぶりを一致して非難しているが、北朝鮮を過度に刺激したくない中国の姿勢などから合意に2週間余を要した。速やかな決議採択で制裁の効果を上げてほしい。

 決議案は北朝鮮が先月25日に強行した核実験について、3年前の核実験後に安保理が科した決議1718などの「目に余る無視」と強い表現で非難している。

 核・ミサイル技術の開発につながるモノとカネの流れを遮断するため、全加盟国と国際機関に対し(1)北朝鮮に出入りする船舶への貨物検査(臨検)の実施(2)北朝鮮の核やミサイル関連計画に資する金融サービスの提供の禁止−などを要請している。

 決議1718では貨物検査は「必要に応じて要請」となっていたし、武器輸出禁止も大型兵器に限定されていた。金融制裁もなかった。それに比べると、制裁の内容は強化されることになる。

 しかし、今回の決議案にも問題点はある。一つは、最大の焦点となった貨物検査だ。

 日米は公海上はもとより、加盟各国の自国領海内でも「義務化」を強く求めていた。それが、軍事的緊張を高めるといった理由で難色を示した中国への配慮で強制力のない「要請」と弱められた。しかも公海上では「船舶の旗国による同意の下」との条件がついた。制裁の実効性がどこまで担保されるかに懸念が残る。

 さらに重大な問題がある。日本の現行国内法では、要請があっても公海上で貨物検査ができないことだ。北の核実験が「日本への武力攻撃の恐れがある周辺事態」とは認定できないとの判断だが、このような法的不備があっては国際社会の信用を失ってしまう。この状態を直ちに解消すべきだ。

 金融制裁についても、日米は当初、核・ミサイルの取引に関与している疑いの強い北朝鮮の2銀行を名指しし、加盟国に取引停止を求めていた。その効果を考えると、決議案が具体的な方策に言及しなかったのは遺憾である。

 注目されるのは、制裁履行を監視するために設置される専門家チームだ。制裁に及び腰の加盟国には圧力となる。安保理の威信にかかわる対北制裁決議である。

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