衝撃の事実発覚です!
例によって独占スクープです。
「ミシュランさん、一見さんはお断りどす。京都・大阪版に老舗料亭が猛反発」などと報道されているのは、事実とまったく異なることが判明したので、世界に先駆けてこのコラムで報告します。
実は、6月1日(金)、京都・関西日仏学館にて、今年10月中旬刊行予定『ミシュランガイド京都・大阪2010』についての緊急シンポジウムを開催しました(主催:日本フードジャーナリスト会議、後援:フランス大使館、関西日仏学館)。まずどんなシンポジウムだったかをさくっと紹介すると……ゲストは、このコラムのバックナンバー【2009.04.08 『ミシュランガイド京都・大阪』独占スクープ! 京都老舗料亭「掲載拒否」の真相】にもご登場いただいた徳岡邦夫氏(京都吉兆)、門上武司氏(『あまから手帖』編集主幹)。そして、突然の高熱発症で来日できなくなり、生電話にて海外から参戦のジャン=リュック・ナレ氏(ミシュランガイド総責任者)。
ゲストを取り囲んで会場をぎっしり埋め尽くした出席メンバーは、新聞各紙、テレビ、ラジオ、通信社、関西エリアの主な雑誌各誌・出版関係者などを中心に80名余り。「はたしてミシュランガイドは、長い歴史とバラエティに富んだ京都・大阪の食文化をどのように評価するのか!?」「どのような調査を行っているのか?!」「京都・大阪は、ミシュランガイドをどのように受け入れるのか!?」といったテーマについて、予定をはるかに超える2時間の白熱トークとなりました。
満員大盛況! 第19回フードジャーナリスト会議「京都会議2009〜ミシュランがやってくる!」(写真:京都偏愛フリーエディター&ライター「関谷江里の京都暮らし」より)
今回、特筆すべきは、ミシュランガイドに調査される側でもある京都吉兆・徳岡さんから、「どのような調査員が来店して、どのようなプロセスで直接コンタクトがあって、ガイド掲載の可能性がある店に対してどのような書類提出や手続きが求められたのか」などなど、まさに現場でしか知ることのできないリアルなバックステージが、複数のミシュランガイド関係者が同席する公開の場で明かされたことです。
これまでは、たとえば飲食店側が「うちは掲載を拒否した」という報道があったかと思えば、それに対してミシュラン側が「掲載するかしないかを決めるのはミシュラン。掲載拒否したというのは店側の勘違いでは?」といったすれ違いの議論がメディアを通じてたびたび繰り広げられてきました。しかし今回は正真正銘のガチンコ勝負。ハッキリとした事実が確認されました。
それに加えて、経験豊富な『あまから手帖』門上さんの巧みな誘導で、京都吉兆三代目・徳岡さんの魅力もあますところなく引き出され、大いなる収穫となりました。天才料理人! 創業者・湯木貞一の魂を受け継ぎながら、国際的な視野を持って伝統の幅を広げているチャレンジャーの徳岡さんは、ただの三代目じゃないですね。ミシュランの星の数は蓋を開けてみなければわかりませんが、日本を代表するプレイングマネージャーであり、日本料理の伝統を守り発展させていくトップランナーであり、京都という街作りにおいても注目の文化プロデューサーだと改めて実感しました。
さて、前置きが長くなりましたが。衝撃の事実というのは……