原稿サンプル

一.事の発端

 事の発端は、私が匿名性の高いハンドルネームで投稿してきた人物に腹を立て、小説サイトの日記の片隅に、たった二日間掲載しただけの、プライベートな記事である。(感情的になっている自覚はあったので、猛毒だと警告した上で、反転隠し処理までした)
 この記事が、障害者蔑視だと後々まで叩かれることになるのだが、この記事は、断じて、障害者への罵声として書かれたものではない。私は前述した匿名の人物(『XXX』とよぶことにする)に腹を立てていた。この人物への怒りをこそ、爆発させた記事だったのだ。私は『XXX』こそが、甘えていると考えた。この人物に、甘えるなと言いたかった。
 おわかりだろうか。
 彼らは障害者でもない特定個人への罵声を、一瞬の罵声を、障害者への罵声にすり替え、そうすることで、世論を味方に、大勢を巻き込んで騒ぎ立てたのだ。
 プライベートな日記上でのことであり、過密スケジュールで倒れる寸前だった頃のことでもある。私が、わかりやすい文章を書かなかったのは事実だ。『XXX』の名誉をおもんばかり、対象を明確にしなかったのも、失敗だった。優しかったのだ、当時の私は。私が相手を思ってあやふやにした部分について、悪意を持って障害者蔑視の文章と読める解説を加え、サイト潰しの足がかりにしようとする人物が現れようとは、考えもしなかった。人間がこうも醜いとは、私はこの時まで、知らなかったのである。
 さて、この文章に『ハンデ』という言葉を使ったのは事実だ。しかし、私はそれを障害者を指しては使っていない。(むしろ、『ハンデ』という言葉に障害者の意味しか考えられないバッシング側こそ、障害者蔑視の意識が強いのではないか)さらに、バッシング側は当時の記事をあたかも同時掲載されたかのごとく並べ、連続性のあるものと見せかけているが、あれらの記事は本当は、ひとつが削除されてから次、という、わざわざ連続性がない形での掲載をされたものである。
 この意味をおわかり頂けるだろうか?
 連続で読むと、『XXX』はじめ、バッシング側が異常に障害者に固執しているために、障害者について論じた記事にも見えてきてしまうのだ。この点に、彼らはつけこんだ。実際は、障害者についての記事ではないからこそ、私はひとつを削除してから次、と掲載していった。それにも関わらずだ。
 私はそもそも、作品について論じるべき場で、彼らが無関係な議論を起こそうとしたことが、大変に気に食わなかった。
 真相はそれだけのことなのだ。
 もう一度、断言しておくが、私は障害者蔑視はしていなかった。
 該当記事は、決して、障害者に向けたものではない。
 当時から何度も、書いた私がそう回答するのに、読み手がその回答を頑強に否定すること自体が、おかしいだろう。
(過去形なのは、今は福祉関係者、および障害者が嫌いだからだ。頭では、『かざきり羽』サイトを荒らした自称福祉関係者や障害者はニセモノだろうと理解しているが、その名が騙られたために、私は福祉関係者、および障害者が嫌いになってしまった。つまり彼らの功績は、福祉関係者および障害者に対し冷たい人間を増やしたことである。この感情は、本物の福祉関係者、および障害者連盟が、荒らし側、バッシング側の非を訴える姿を見ない限りは、私の中で二度と消えないだろう)

 この件について、私が謝らないことにいきり立っている人間も多いが、彼らが先に、「誤解して悪かった」と謝れば、私も「誤解させるような文章を書いて悪かった」と謝っただろう。おとなげないのはお互い様だ。彼らは決して、私だけを非難できたものではない。
 そして、忘れてはならないことは、深刻かつ不当な名誉毀損を働いたという点で、罪は彼らの方がはるかに重く、決して、対等ではないということだ。

※ ここに問題の発端となった記事を掲載することも考えたが、もともと『日記』の片隅に、ご丁寧に反転隠しで、ごく親しくしている数人だけに読ませるつもりで書いた記事である。物書きの端くれとして、残すつもりのなかった文章が、残すつもりで書く文章と同列に扱われることに、大変な不快感を覚えるので、やめておく。また、この記事については、第三者のプライベートが深く関わるため、どの道、解説には応じられない。(この「第三者」は障害者ではない)解説できない以上、抽象的で不毛な文章を掲載することに意味はないだろう。(彼らは意味のとれない文章を、人気サイトを陥れるという下らない目的のため、障害者蔑視の文章に仕立て上げ、バラ撒いたのだ。私の立場からしてみれば、彼らの方こそよほど、障害者に対し心ない仕打ちをしていると思わざるを得ない)

ニ.『かざきり羽』サイトが、数日間サーバー停止していたことがある。

 実はこのサーバー停止は、バッシングに加担していたある人物が、私に釈明させまいとして、プロバイダに違反報告をしたことによる。
 『かざきり羽』サイトが停止していた数日間、私は自宅にいなかったので、何が起こっているのか知りもしなかったし、連絡がつかないため、やむなく、プロバイダ側は『かざきり羽』サイトを一時停止したのである。(その人物は、私がその数日間、不在にする事実を知っていた)
 帰宅後、事実確認が行われ、すぐに、『かざきり羽』サイトは復旧することになった。(違反報告を受けてすみやかに調査・対処に入り、こちらからの事実報告を受けてすみやかに停止措置を解除したプロバイダ側の対応姿勢は、極めて誠実で優良なものと思う)

 さて、この件の真相は今日まで明かされてこなかったわけであるが、(こういった嫌がらせを受けるのは、この件に始まったことでもなかったので、当時の私はもう、いちいち説明しなかった。仕事の都合でそんなヒマはなかったからでもある)この数日間のサーバー停止にも、ブロガー(誹謗・中傷サイト)は食いついてきている。

 私が販売・運営していた会員制ページの入り口が、数日間サーバー落ちしていたことについて、誠実な対応がなされていない、というのだ。

 この糾弾は極めて不当である。
 まず、糾弾しているのが顧客ではなく、正確な情報を知らない人物であること。(むしろ、購入していないこの人物が、会員制ページの入り口やパスワードを正しく知っていてはならないのだ)
 次に、私は会員制ページについてそもそも、サーバー落ちしないなどという保証は行っていない。完結保証なのである。
 さらに、更新ペースの保証がないことや、何らかの事情で閉鎖しても何の保証もできないことなど、商品説明にてきちんと触れている。よくある、細かい文字がぎっしりの商品説明ではない。読まなければ、商品がそもそも何なのかわからない、というレベルのものだ。極めて良心的である。
 この糾弾が不当な点はまだある。『かざきり羽』サイトは個人の小説サイトである。その付属サイトの、何年も使える、会員アカウントだ。特定の数日間にアクセスできないことで生まれる損害など、ないに等しいだろう。実際、この件について購入客からのクレームは1件も入っていない。(1件でも入れば、公開での説明も行ったかもしれない)
 いつものことだが、顧客ではなく、サービスをきちんと知らない外野がガタガタいうのである。
 顧客は逆に、『かざきり羽』サイトのサービスが誠実で良心的あることを知っている。更新頻度を除いて、だが。(その更新頻度については、商品説明に重要な注意事項として、保証できないとあらかじめ記載されたものだ)
 だから、顧客はクレームなど入れてこないのである。
 もっとも、バッシング側が「沙澄氏にメールをすると酷い目に遭う」と散々、何も知らない人々を脅していたので、彼らの糾弾を目にした顧客については、怖くてクレームできなかった可能性もある。ただし、これはバッシング側の罪である。私が顧客メールを無下にしたケースはない。
(加害者連には断固たる姿勢で臨んでいたので、彼らはそれが全てだと考えたのだろう。自分を誹謗・中傷している人間に、親切な返信など誰がするだろうか? する人間も稀にはいるだろうが、私はしない。個人を集団リンチして憂さ晴らしをしている、あちらの人間性に相応の返信をしただけである。しかし彼らは、そうとは考えたくないのだ)

 ここで、興味深い話をしておこう。
 私が販売している会員アカウントは、半年〜数年間有効なものである。
(千円かそこらといえど中高生には大きい、と、彼らは声高に私を非難していたが、その千円かそこらのために、数千時間の労働で応えている私が、千円かそこらを軽んじている、という考えなのだろうか? 私は逆に、たった千円かそこらでここまでのことをしてもらったら、申し訳なくて相手に頭が上がらない。私とて、『かざきり羽』サイトの読者層が主に高校生と大学生なのは知っているのだ。その年齢層には、千円かそこらは大きいだろう。だからこそ、会員制サイトを運営する場合、年間千円では全く採算が合わないわけだが、この価格設定なのだ。私にとって、会員制サイトの運営はファン・サービスであり、私にはもとより、会員アカウントで利益をあげるつもりがない。私に実力があり、売れた場合に利益が上がるのは、完結作品の方である)
 ところで、皆さんはオンラインゲームを知っているだろうか? それこそ、中学生から社会人までが遊ぶものだ。
 これの会員アカウントが、一ヶ月で千円〜数千円するのがふつうだが、大手の法人でも、期間中のサーバー障害について、何の保証もしないのが、実態である。
 アイテム課金というシステムも増えてきていて、これには、より厳しい時間制限がついていることも珍しくない。ところが、そのアイテムが使えるはずの時間についても、サーバー障害でアイテムが使えなかったことについて、何ら、保証はされないことが往々にしてある。「○月○日○時頃、サーバー障害が発生し、お客様には大変なご迷惑をおかけいたしました」と、定型の謝罪文を掲載するのが関の山である。(それすらしないこともある)
 完結保証、という私の商品は、この点、実に良心的だと自負している。できないことはできないと明言し、できる範囲で、お客様を楽しませようという心意気で構築されたシステムなのだ。
 さても、法人がこのレベルであるのに、個人サイトに法人以上の責任とクオリティを求める彼らの姿勢は、甚だ疑問であると言わざるを得ない。
 彼らは理想論をかかげ、無理を押し付け、その無理に適わない部分で私を叩いているが、彼らを支持する人々に、問いたいことがある。
 そうやって、『生産者・労働者に感謝もせず、低価格でのよりよいサービスを要求するのが当たり前』だと考える、愚かな消費者を育成するのがあなた方のしたいことなのか? と。
 低価格でのより良いサービスは、決して当たり前ではない。
 努力と才能の両方を要する神業だ。
 実現する人物がいたなら、感謝し、尊敬するべきことなのである。
 当たり前の価格での、当たり前のサービスに、本来、まずは感謝するべきなのだ。
 この感謝を忘れ、こういった形で私を叩くことを正当だと考える人間が増えた時には、予言しよう。
 耐震偽装のような、深刻で心ない価格競争が激化し、給与は幹部以外カットされ、労働者層は富裕層の奴隷になるだろう。

 最後に、繰り返すが、会員制サイトの運営について、これまで会員様からのクレームらしいクレームは、入ったことがない。
 これは憶測だが、会員様は、個人サイトにさらなるサービスを要求した場合、当然、執筆にしわ寄せが来て、更新が遅れることを知っているのだ。会員様は賢く、また、お気に入りの物語目当てに買ったのだから、サービス面の改善よりも、「いいから続き!」が本音であろう。つまり、部外者からのサービス面での改善要求は、私にとっても会員様にとっても、甚だいい迷惑なのである。控えてもらいたいものだ。