新型インフル、「フェーズ6」引き上げを宣言…WHO
6月11日23時2分配信 読売新聞
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同日開催の専門家による緊急委員会が、南半球での急速な感染拡大を踏まえ、「世界的大流行の要件が満たされた」と結論づけたことを受け、決断した。
新型インフルエンザの世界的大流行は死者100万人に及んだとされる1968年の「香港風邪」以来41年ぶりとなる。
チャン事務局長は、感染者の大半の症状が軽いことを指摘し、「国境閉鎖や国際的な人・モノの移動制限措置を取るべきでない」と述べ、各国に冷静な対応を求めた。また、世界各地にウイルスが広がってしまっているため、患者隔離など「封じ込め策」より、早期治療を軸とする感染拡大の「軽減策」に重点を移すよう訴えた。
メキシコ、米国を起点に4月以後、急速に広がったウイルスは、WHOによると11日までに74か国・地域に拡散し、感染者は2万8000人以上に達する。感染者の増大は、冬に入った南半球で顕著で、豪州では毎日100人のペースで増え、1200人を超した。
WHOの警戒水準は地理的な広がりを尺度に定められており、フェーズ6は、世界の2地域で人から人への持続的感染が起きていることが条件。北米に加え豪州でも人から人への持続的感染が確認されたため、フェーズ6への引き上げが避けられなくなった。
警戒水準は各国の対策を左右するだけに、引き上げに際しては、ウイルスの地理的な広がりだけでなく、病原性の強弱を表す新たな尺度の必要性が認識された。WHOは「重症」「中度」「軽症」の3段階の尺度を検討しており、今回は「中度」としている。
チャン事務局長は、また、ワクチンメーカーに対し、季節性インフルエンザ用ワクチン製造が完了した後、新型用ワクチンをフル稼働で生産するよう求めた。
WHOは新型インフルエンザの警戒水準を4月29日にフェーズ5に引き上げた。5月初め、英国やスペインでも感染者が増大し、フェーズ6への引き上げが本格的に検討されたが、世界的大流行を宣言することによる経済的、社会的影響への懸念から、欧州諸国のほか日本や中国が反対したため、引き上げは見送られていた。
最終更新:6月12日1時15分
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