11日の東京株式市場で日経平均株価が一時、1万円の大台を回復した。取引時間中に1万円台を付けるのは昨年10月8日以来約8カ月ぶり。世界各国で経済指標の悪化ペースが鈍化するなど、景気回復への期待が背景にある。過度な悲観が修正された結果、幅広い銘柄に買い戻す動きが出ている。ただ日経平均は依然、昨秋のリーマンショック前の水準を2割程度下回る。実体経済に比べ期待先行の面も否めず、相場上昇が続くかは不透明だ。
朝方から前日終値(9991円)を挟み小幅な値動きが続いたが、9時30分過ぎに1万円を上回ると一時、上げ幅を30円強に広げた。景気回復への期待感などで新日本製鉄など景気敏感株に買いが先行している。相場上昇を受け、野村ホールディングスや大和証券グループ本社などの証券株にも年初来高値を更新した銘柄が目立つ。
ただ大台回復の達成感などから利益確定の売りも出て、前日終値を下回る場面もあった。日経平均の午前の終値は前日比29円52銭(0.30%)安の9961円97銭。(12:02)