【ジュネーブ=藤田剛】世界保健機関(WHO)は11日、新型インフルエンザの警戒水準(フェーズ)を最高度の「6」に引き上げ、世界的大流行(パンデミック)を宣言することを決めた。チャン事務局長が同日に世界各国の専門家で構成する緊急委員会を招集し、南半球を含めた地球規模の感染が始まったとの認識で一致した。
WHOによると、新型インフルエンザの世界的大流行は1968年に発生した「香港風邪」以来41年ぶり。ただ、今回の新型インフルエンザは弱毒性のため、渡航制限や国境封鎖の勧告は出さない。現段階では経済や社会に与える影響は限定的なものになりそうだ。
WHOは地理的な広がりを示す警戒水準を引き上げると同時に、健康被害の「深刻度」に関する基準を発表。深刻度は強度(シビア)、中度(モデレート)、弱度(マイルド)と3段階あり、北米などでやや重症者が目立つため、中度とした。
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