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陰湿暴行、水浴びせ「紙おむつはけ」 少年「震え止まらず」少年を更生させる施設で、尊厳を踏みにじる行為が行われていた。9日、法務教官4人が逮捕された広島少年院(広島県東広島市)の暴行陵虐事件は、今も少年の心に深い傷を残している。しかし、4人を告発した法務省広島矯正管区はこの日の記者会見で、暴行の詳しい実態について、「答えられない」と繰り返すばかり。矯正教育に詳しい識者らは、教官の行為を厳しく批判、徹底した再発防止を求めた。 「震えが止まらない」。逮捕された教官の一人、松本大輔容疑者(29)が暴行を加えたとされる少年(17)は精神的ショックから、今も院内で睡眠薬や精神安定剤を服用しているという。 松本容疑者は昨秋、少年に「これをはけ」と紙おむつを示し、ズボンにシャワーの水を浴びせて無理やりおむつをはかせたうえ、その姿を他の数人の収容少年に見せつけたとされる。 少年の母親(38)は今年4月に、少年院側から暴行の事実の説明を受けた。その後の面会で、少年は「おむつ姿を見られ、とても悔しかった」と、涙を浮かべて打ち明け、母親は「よく我慢したね」と慰めた。9日も母親は面会したが、少年の顔は引きつり、差し入れのジュースを持つ手が震えていたという。 他の3教官の逮捕容疑となった、別の少年たちへの行為も陰湿だった。▽「これを飲んで死ね」と口に洗剤の容器を押しつけた=田原克剛容疑者(43)▽殴る、けるなどしたうえ、トイレに行かせず、失禁させた=菅原陽容疑者(26)▽「暴力で押しつけられるくらいなら、死んだ方がまし」と抵抗され、「じゃあ死ね」と、馬乗りになって首を絞めた=野畑勝也容疑者(32)。 教官逮捕を知った母親は「少年院できちんと学び、社会に出てきてほしいと期待していたのに、裏切られた。謝罪もないまま、教官が逮捕されてしまい、納得できない」と憤った。 広島矯正管区(広島市中区)の記者会見では、横山和洋第1部長が「被害者、保護者の皆様に対して深くおわび申し上げる」と謝罪。しかし、教官たちの犯行動機などについては、「捜査にかかわることなので」などと回答を避けた。 矯正制度に詳しい菊田幸一・明治大名誉教授(犯罪学)は「少年院は少年の保護、教育という少年法の理念に基づく機関で、暴行は絶対に許されない」と指摘。福島大の (2009年6月10日 読売新聞)
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