偽装結婚疑いで社員逮捕　姫路市職員の無許可会社　

偽装結婚の疑いで人材派遣会社幹部宅の捜索に入る捜査員ら＝１１日午前１０時４３分、姫路市内

　姫路市職員が無許可で人材派遣会社を営業していた事件で、同社社員らが偽装結婚に関与していた疑いが強まり、兵庫県警外事課と組織犯罪対策課などは１１日、電磁的公正証書原本不実記録などの疑いで、姫路市名古山町３、同社員善甫（ぜんぽ）公哉容疑者（５３）とマレーシア国籍の姉妹を逮捕し、別の社員（６１）の逮捕状を取った。同市内で関係先の捜索にも着手した。

　偽装結婚による報酬を定めた複数組の契約書が同社事務所で保管されており、同課などは会社ぐるみで偽装していた疑いもあるとみて、当時、同社幹部だった市職員（４８）からも事情を聴く方針。

　善甫容疑者と姉妹の逮捕容疑は、３人で共謀し、妹（３６）に長期在留資格を取らせるため、善甫容疑者との偽装結婚を計画し、２００８年１０月に虚偽の婚姻届を姫路市に出した疑い。逮捕状の出ている社員は、偽装結婚の証人となるなど、仲介を務めた疑いが持たれている。

　捜査関係者によると、契約書には、妹が善甫容疑者に報酬として約９０万円を支払うことや、婚姻届の提出後、一定期間は離婚しないことなどが記されていた。

　県警は今年５月、労働者派遣法違反容疑で実質的な経営者だった姫路市職員ら２人を逮捕。この捜査の過程で同社員による偽装結婚の疑いが判明した。

(6/11 15:00)