首都圏放送センター

2009年6月11日 8時37分更新

排ガスを分析する新装置開発


自動車の排気ガスに紫外線レーザーをあてて、健康に影響を与える光化学スモッグをどれだけ引き起こすかを分析できる、新たな装置を大学の研究グループが開発しました。

新しい分析装置を開発したのは、首都大学東京の梶井克純教授の研究グループです。
10日は、茨城県つくば市にある国立環境研究所で、自動車の排気ガスを実際に分析する様子が公開されました。
健康に影響を与える光化学スモッグは、自動車の排気ガスが大きな原因の1つとなっていますが、この装置では、排気ガスに紫外線レーザーをあてて光化学スモッグの原因となる「光化学オキシダント」という物質がどれだけ発生するかを測定できます。
これまでの分析装置では、排気ガスに含まれる有害物質の濃度を調べることはできましたが、この新たな装置を使えば、実際にどれだけ光化学スモッグを引き起こす危険があるのかを分析でき、今後、大気汚染対策への活用が期待されます。
装置を開発した首都大学東京の梶井克純教授は「これまで排気ガスの規制は化学物質の量で行われたが、濃度が低くても光化学オキシダントの量が増えることがあり、今回の装置を使うことで排気ガス規制の議論に役立てたいと思う」と話しています。