7日午前4時25分ごろ、東京都渋谷区代々木4の都道(山手通り)で、警視庁新宿署のパトカーに追跡されていた2人乗りオートバイが道路左のガードレールに衝突した。運転していた中央区明石町、中学校派遣講師、稲葉匡則(まさのり)さん(26)が全身を強く打ち、死亡。後ろに乗っていた知人の女性(27)=新宿区=も足の骨を折るなど重傷を負った。女性は「酒を飲んでいた」と話しているという。
同署などによると、パトカーで警戒中の署員が、都道交差点で信号待ちの稲葉さんのオートバイを発見。女性がヘルメットを着用していないように見えたため、署員が声をかけたところ、急発進した。サイレンを鳴らし、マイクで停止を求めながら追跡したが、見失ったという。
稲葉さんは体育講師で、都内の複数の中学校で教えていた。女性はヘルメットの上からパーカをかぶっていた。黄海(きうみ)義久新宿署副署長は「追跡方法は適切だった」と話している。【山本太一】
毎日新聞 2009年6月8日 東京朝刊