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地味な宇都宮大を「ブランド化」 栃木
宇都宮大が、自ら開発した商品やロゴマークを「大学ブランド」と位置づけ、積極的なPRに乗り出した。真岡市にある付属農場で収穫したコメ、麦を原料にした酒や焼酎、さらにはロゴマークを使用したグッズの販売を大学生協で始めた。県民から地味な存在とみられがちな宇都宮大。関係者は「ブランドをきっかけに大学に親近感を持ってもらえれば」と期待している。
宇都宮大企画広報室によると、国立大が独立行政法人化した平成16年以降、各大学の独自性が求められ、「大学を理解してもらえるのなら」とオリジナルグッズを開発することになった。農学部の学生が付属農場で収穫する農産物を使って業者に製造を委託するなどして、モッツァレラチーズ▽そば▽宇どん(うどん)▽フレッシュチーズ▽宇大浪漫(麦焼酎)▽峰が丘の風(純米酒)−など計9種類の商品を開発。今月17日から、麦焼酎と純米酒の販売を大学生協で始めた。
また昨年10月から、大学のロゴマークを使ったライターやハンカチ、ボールペンなども大学生協で販売している。
さらに、大学の卒業生や元教員らも“ブランド”にしようと、3年前から「人物百選」と題して学部ごとに国内外で活躍した人物を募っている。パリ在住の画家や、公的機関の理事長、大手自動車メーカーの研究者など、さまざまな分野の卒業生がおり、現在、大学広報誌で紹介中だ。
大学側のこうした取り組みについて、農学部2年の女子学生(20)は「お酒なんかはおみやげに良いと思いました」、同3年の男子学生(21)は「大学のイメージが良くなるのなら」と歓迎している。
同室の高橋和広調査役は「大学のブランド力を知ってもらうことで、『あそこで学びたい』という気持ちを持ってもらえたら」と期待している。
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■大学ブランド商品 大学が研究成果を生かし、商品を企画すること。少子化と国立大の独立行政法人化により、各大学に経営の危機感が広がっていることが背景にある。私立大の近畿大は、世界で初めて完全養殖に成功したマグロを「近大マグロ」として販売。国立大でも、東大が焼酎や古代ハスを使った香水などを、北海道大がクッキーやハムなどを販売している。