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中国車メーカーのGM「ハマー」買収に待った

 米ゼネラル・モーターズ(GM)の高級四輪駆動車ブランド「ハマー」の買収に乗り出した中国企業の四川騰中重工機械(本社:成都市)の試みは、失敗に終わる公算が高まった。買収認可権を握る中国政府のシンクタンクからは、「ばかげている」という極端な発言まで飛び出している。

 中国国務院発展研究センターの盧中原副主任は9日、浙江省寧波市で開かれたフォーラムで、騰中重工のハマー買収について、「中国企業は自ら石を持ち上げ、自分の足を打ち付けるようなばかげたことをしてはならない」と述べた。同センターは中国政府と共産党の幹部に対し、懸案事項に関する報告を行う中央政府のシンクタンクだ。

 盧副主任は同日、中国における現在の経済発展段階に関する講演を行い、騰中重工を強く批判した。盧副主任は「政府がエネルギー節約、排気ガス削減などの政策を進めている一方で、これほど排気量が大きく、燃料消費が多い車のメーカーを買収するのは、他人につられたやり方だ」と非難した。中国が巨額の外貨準備を活用し、外国企業の買収に乗り出したことを受け、後先を考えずに採算性が劣る外国企業の買収を試みたとされるからだ。ハマーの燃費は1リットル当たり4-5キロで、同クラスの車両の半分にも満たず、米国市場ですら消費者に不人気だ。

 盧副主任は「騰中重工が単純に知名度を高めようとしているならまだしも、本当に買収する意図があるとすれば、政府の関係官庁で厳しく審査を行い、無条件で阻止しなければならない」と語った。中国では1億ドル以上の外国企業買収には商務省の承認が必要だ。騰中重工のハマー買収は5億ドル以上とされ、商務省の承認が必要となる。2005年1月に設立された騰中重工は、道路、橋の建設、エネルギー産業などに必要な機械類を生産する国有企業で、自動車生産の経験はない。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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