春日井市民病院は8日、医療ミスで患者を死亡させたとして、遺族に損害賠償金4300万円を支払うことで和解したと発表した。
病院によると、市内の主婦(当時49歳)が08年1月29日、「頭が重い」と神経内科を受診し、2月12日に頭部のMR検査を受けた。放射線科の医師(37)が動脈瘤(りゅう)を見落とし、「異常なし」との報告書を神経内科に送り、内科の医師(39)もそのまま主婦に伝えたという。
主婦は08年12月10日、アルバイト先で倒れ、同病院に運ばれた。CT検査の結果、くも膜下出血と診断され、2日後に死亡した。MR検査の画像を見直したところ、動脈瘤の見落としが発覚した。
病院は、主婦の夫(43)に「適切な治療の機会を失わせ、申し訳ない」と謝罪した。事故後、放射線科と担当医師によるダブルチェックの徹底を図り、昨年12月から担当医師がMR画像を確認できるシステムを導入した。【花井武人】
毎日新聞 2009年6月9日 地方版