▽常勤医確保や外来増図る
井原市は8日、総務省に求められ策定した市民病院事業改革プランを市議会全員協議会で報告した。収入増や経費削減などで2013年度に単年度黒字化し、当面は今の経営形態を維持するとした。
同省が検討を求めた公立病院の再編について笠岡市民、矢掛町国保、高梁市成羽を含む4病院で協議。その結果、地域の中核的病院の役割を担っているなどとして「当面の実施予定はない」と結論付けた。
井原市民病院の収支計画では、13年度の医業収益を08年度見込み比1億2900万円増の22億900万円とし400万円の純利益を確保。1日平均外来患者数を5%増の320人、病床利用率を2ポイント増の89%に高めるなど13項目の数値目標を掲げた。
具体的な取り組みでは最重要課題の常勤医師の確保▽看護師を増やし現行160床運用を180床運用へ拡大▽診療報酬の請求漏れなどの改善▽亜急性期入院医療管理料の拡大など入院収益単価アップ▽建物清掃、器機保守などの複数年契約による委託契約費の削減―などを進める。
プラン作成のため実施した市民3千人へのアンケート(回収率47・8%)では、市民病院の立地や経営に関して67%が現状維持を希望、統合移転機能拡大10%、民営化6%、不要3%を引き離した。期待する役割は救急患者対応、総合的医療、産科・小児科提供の順。家族を含む市民病院利用経験者は84%だった。
市民病院は10診療科、180床(一般120、療養60)、常勤医師9人の市内最大の医療施設。累積赤字は08年度見込みで9億7270万円。(佐藤正明)
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