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【産科医解体新書】(41)仕事の魅力だけではもう限界 (1/2ページ)
前回、自宅待機時の飲酒の件を話題にしました。飲酒をした医師に診療されたくないのは当然ですが、この問題は医師の無償待機問題を除いては語れません。
奈良県で、産科医が夜間宿直や休日勤務などに対する割増賃金の支払いを求めた訴訟がありました。奈良地裁は医師の訴えを認め、計約1540万円の支払いを命じました。従来は医師自身も「仕方のないこと」とあきらめていた不払い賃金の問題で、支払いを命じる司法判断が下されたのは、僕たち医師にとっては画期的なことです。
これに対して県側は、判決が宿直や休日の勤務時間すべてを割増賃金の支払い対象としたことについて、「診療を行っていない待機時間は労働時間にあたらず、実態に即していない」と控訴しました。全国的に常態化している問題ですから、この裁判を皮切りに、医師の労働環境にさらに踏み込んだ調査がなされればと思います。
長時間働けば、当然判断力は鈍ります。とはいえ、ミスが起こったとき、その責任が医師にあることに変わりありません。「長時間労働は当然。待機時に金は払わない。しかしミスは断固許さない」では、誰が産科医になるのでしょう?
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