2009年6月8日

大変恐ろしい夜でございました・・・。

試合のあとは、真っ暗な道をしばらく歩いて家に帰ります。
普段は少しでも人のいる道を選ぶものの、今夜に限って
なぜか廃墟の中を通ってしまいました。
その合間に、ぽつん、ぽつんと稼動しているオフィスがあるとはいえ、こんな時間（午後１１時）は当然閉まっているし、
怖がりの僕は、走り出したいような衝動に駆られました。

その瞬間、目が合ったのです。
正面にある電気のついていないオフィスの窓から、僕のことをじっと見つめている男。
一階だというのに、高さのある窓で、首から上しか出ていないのが、気味悪さを倍増させています。
目を離した瞬間に、何かが起こるような気がしてしまい、
とりあえずじーっと見つめ返すと、相手も目をそらさずに、まっすぐ僕を見ているのです。

真正面からの睨み合いが、１５秒は続いたでしょうか。
視線を外さないように、そろり、そろりと動くと、男は首を動かさずに僕を見続けています。

見続けているのだと思いました。

く、来るならこいっ！
いやっ、うそですごめんなさいっ！来ないでっ！

泣き出しそうな気分でじわじわ斜めに移動したら、
男の身体から厚みがどんどんなくなって、
薄くなってきたのです！！！なんでやね〜ん！？

・・・それは、実物大の白人男性の顔写真でした。
おそらくは防犯用。
「今戻ったら、写真なんてなかったりして。うけけけけけけけっ！」
ヨメの言葉に、明日から絶対あの道を通らないことを決意した次第です。

アイオワ州デモインにて　田口壮　

2009年6月7日

アイオワ・カブスの本拠地、プリンシパル・パークには、ライト後方に小さな水遊び場があります。噴水を取り囲むように、
コンクリートの地面のあちこちから水が噴出していて、いかにも涼しげ。
暑い日の試合には、そこが子供たちで鈴なりになり、親は子供を遊ばせながらのんびりと試合を見ています。

今日も暑かったデーゲーム。僕がべっとり汗をかいているその後ろのほうで、僕のことなどまったく見ずに、寛も水遊びにはまっていました。
Ｔシャツだけ脱いで、パンツをはいたままの半パンで、全身びっしょびしょ。
もちろん、最初から水着を持ってきている準備のいい家族もいるようですが、アメリカ人は、水に濡れることを、大人も子供もさほど気にしません。
「そのうち乾くだろう」というおおらかさで、水浸しを楽しむのです。

日本の球場ではあまりなじみがありませんが、アメリカの球場には、「子供の遊び場」をよく見かけます。
特にマイナーの球場に多く見られるのは、メジャーよりも努力しなければ、集客できないからなのでしょうか。
アイオワにはこのほかにも巨大なジャングルジムのようなものがありますし、他の球場には、ミニ遊園地やアーケードゲームなど、子供を飽きさせない工夫でいっぱいです。

球場に来る子供のすべてが野球好きとは限りません。
特に暑い日には、あまり興味のないものを親の都合で見せられるのはきっと苦痛でしょう。でも、「あの面白いところなら行く！」と言ってくれたらしめたもの。ビールを片手に、子供の笑い声を背中に受けながら見る野球も、なんだかきっと、オツなものなんでしょうね。ビールとは言わないから、
せめて冷たい水しぶきが飛んでこんかなー、と、炎天下で期待している私です。

アイオワ州デモインにて　田口壮　

2009年6月6日

怪我人さん、いらっしゃ〜い！

こちらデモインには、親カブスから「リハビリ・アサインメント（下に行くけどメジャーの選手ですよ。
そっちで調整するだけですよ。別格だからね）」という名の下に、
アーロン（マイルズ・内野手）、リッチ（ハーデン・投手）をはじめ、
このホームスタンド中には、ライアン・フリール外野手も来デモインが予定されているなど、あちこち痛かったり動けなくなったりしている選手が集まっています。
ただでさえ選手が足りない・怪我人が多い、ところに、ますます増える負傷者の数。
デモインは野戦病院と化しつつあります。

そしてまた一人。

今朝午前３時過ぎにデモイン入りしたうちのヨメが
「出掛けに階段から落ちちゃったー。やあねえ」と笑って言うのです。
この人はしょっちゅう落ちたり転んだりぶつけたりするので、
またか、と聞き流していたのですが、よく見るとどうやら
「やあねえ」という程度のお話ではありません。
折れてるやんけ！！

抱えた荷物で下が見えず、そのまま階段を踏み外して右足の親指から落ちたらしいのですが、
どす黒赤紫青になったその部分は、最悪骨折、軽症でもヒビが入っているであろうことを物語っています。
「大丈夫！折れてない！痛くない！」と言い張っているその理由は、「僕に心配と迷惑をかけたくない」が２０パーセントで、あと８０パーセントは、「病院が面倒くさい」と見た。
「そのうちくっつく」
「お前は野生動物か！」
とりあえず固定した上で、月曜日まで様子を見る、で合意したものの、添え木は台所にあった割り箸です。

僕ひとりだけ元気なのが、なんだか申し訳なくなってきました。

アイオワ州デモインにて　田口壮　

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