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今日とある書き込みを見て、それはいわゆる大阪メソッド的（あるのか、こんな言い回し？）なものだったのだけれど、とにかくとても胸が痛んだ。ナイツの塙の兄（今やこう書いたほうが伝わりやすいだろう）が数年前に佐賀県をトコトン貶めた歌を歌って日本じゅうを笑わせたことがあった。塙の兄のみならず日本人であれば結構な数の人が出身地のダメなところを面白おかしいエピソードを交えながら紹介したり、いわゆるネタにして笑いを取るということをしたことがあると思う。
いや、というか、誰がどこで何を言おうが、その人の故郷を悪く言って周囲の笑いを取ろうが、酒の肴にしようが僕のどうこうできることでもない。しかし、目にしたり聞いたりするとすごく胸が痛む。とりわけ、大阪がその対象である場合には。「なんでそうやって大阪の印象を悪くしたがるのか」「ああ、こうやって大阪の印象は悪くなってゆくのだな」と思う。いや、そうなんだけど。実際に治安悪いかもしれないし、大阪弁てキツく聞こえる方言なんだろうけど、でも――
大阪民国、また大阪か！よその人に言われる分には胸が痛むこともない。いや、そうじゃないんだよ。大阪っていろいろな土地があるよ。治安にいい場所もあれば悪い場所もあるよ。大阪に鶴橋があれば東京には新大久保がある。そう思えるから。
これを大阪人があたかも自慢話をするように喚き散らすことがある。或いは大阪人を装った他府県の人が。それがすごく悲しい。わかる、確かによその人に話せば笑いの取れる大阪ダメ話って僕のまわりにもいくつかあるし。自転車盗まれただのスリにあっただの信号無視上等だのだの……どの都道府県でも起こりうるなんということのないエピソードでも、大阪という要素を散りばめればたちまち周囲の興味を惹くし、面白くなる。「大阪って怖いねー」「すごいところだね」となる。
もうやめよう。どうということのないどこにでもあるエピソードに大阪を言葉を結び付け、一般化して大阪を悪の特別解放区みたいにしておとしめるのはやめよう。僕もきっと若いころはそうだったろう。むかし、大阪に遊びにきた余所の土地の友人に大阪ってコレコレこうなんやで！とか話したことがあったろう。或いは東京に出て来たころにも言ったろう「大阪ではこんなんあたり前やで！」みたいな、ちょっと具体例を思いつかないけど。いまでも知らずのうちに周囲の人に話しているかもしれない。
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