【ジュネーブ9日共同】世界保健機関(WHO)のフクダ事務局長補代理は9日の定例記者会見で、新型インフルエンザの現在の感染状況について「世界的大流行(パンデミック)に極めて近い状態にある」との認識を示した。
フクダ氏は感染拡大がこれまでWHOに正式報告されているだけで70カ国以上に上り、特にオーストラリアのビクトリア州では北米などからの旅行帰りの人だけにとどまらない「地域社会レベルの感染」が確認されたと指摘。WHOがパンデミック宣言する段階に「非常に近づいている」と重ねて述べた。
ただ、宣言をしても感染者の「重症度が増したことを意味するものではない」として、あくまで地理的拡大を基準にした判断に傾いていることを強調。WHOとして世界の過剰反応を誘発しないような情報提供の努力を続ける姿勢を示した。