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【社会】

「死ね」馬乗りで殴打、逮捕の少年院教官

2009年6月10日 朝刊

 「死ね」と暴言を吐き、馬乗りで顔面を殴る−。広島少年院での暴行問題は9日、少年の矯正教育に当たる4人の法務教官が逮捕される異常事態に発展。「教育」とは程遠い陰湿な暴行の数々が明らかになったが、記者会見した法務省広島矯正管区幹部は「捜査にかかわる」と、動機について説明を避け続けた。

 逮捕されたある教官は3月16日、人目につかない院内の体育館物置で、17歳だった収容少年の胸ぐらをつかんで腹を殴打。「何でも暴力で押さえ付けられるくらいなら、死んだ方がましです」と反論されると「じゃあ死ね」とさらに殴って転倒させ、馬乗りになって両手で首を絞めたという。

 昨年3月には院内の寮で、別の教官が16歳だった少年の胸ぐらをつかみ、「これを飲んで死ね」と口元に洗剤の容器を押しつけたケースも。

 ある収容少年の父親(57)は「息子は教官から『おまえみたいなばかは死ね』などと毎日のように暴言を浴びせられた」と証言。「逮捕は当然だ。悪質、陰湿で腹が立って仕方ない。実態解明をしてもらいたい」と怒った。

 広島市内で9日開かれた記者会見。矯正管区の横山和洋第一部長は冒頭、「誠に遺憾。深くおわび申し上げる」との管区長コメントを読み上げたが、暴行の詳しい内容や動機について質問されると「捜査にかかわるので回答は控える」と繰り返すばかり。

 広島少年院には午後3時すぎ、地検の車数台が入り家宅捜索を開始。取材に応じた岸元攻次長は「やってはいけないことをした。信頼を失墜させ、申し訳なく思う」と唇を震わせながら話した。

 

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