飾り窓、大麻…佐渡ケ嶽部屋“厳戒”オランダ入り

(スポーツニッポン)

　新型インフルエンザの予防対策で一度は取りやめたオランダ公演のため、大相撲・佐渡ケ嶽部屋の一行が２日、成田空港発の日航機で現地入りした。琴欧洲ら２２人の力士を含む３５人全員がマスク着用で出国したが、現地での行動はすべて団体の上、宿泊ホテル到着後は外出禁止。出入り口にはプロの監視員を配置する徹底ぶりで、日本相撲協会の海外巡業、公演でも見られない異例の厳戒態勢を敷く。

　佐渡ケ嶽部屋の一行は成田空港に大型バス２台で乗り付けた。大関・琴欧洲をはじめとする２２人の力士、行司、呼び出しの全員が、インフルエンザ対策としてバスの中から真っ白なマスクを着用していた。５月末に武蔵川理事長（元横綱・三重ノ海）の助言を受け入れ、一度は中止としたオランダ公演。オランダ側の強い要望で一転開催となっただけに、佐渡ケ嶽親方（元関脇・琴ノ若）は「いろいろプレッシャーはあります。でも、これぐらいの緊張感があった方がいい」と顔を引き締め、現地でも万全を期す構えを示した。

　対策の１つとして、宿舎ホテルでは力士らを外出禁止とする。現地では完全団体行動とする方針を既に示していたが、今回はさらに地元のエージェントを通じてプロの監視員を雇い、ホテルの入り口に配置。力士の外出や不審者の出入りをチェックする異例の厳戒態勢を敷くことになった。

　琴欧洲はオランダ公演に関して「全然心配いらない。手洗いもしっかりします」と話したが、万が一に備え、インフル対策も含めて外部との接触はなるべく避けるのが賢明だ。宿舎近くの繁華街には世界的に有名な「飾り窓」と呼ばれる売春街もあり、誘惑はいっぱい。オランダでは大麻の吸引が合法的に認められているが、解雇された元露鵬と元白露山は昨年６月の米ロサンゼルス巡業で大麻を吸引したと再発防止委員会（当時）から指摘されており、相撲協会は神経をとがらせている。大麻に関して佐渡ケ嶽親方は「団体行動をするので絶対に大丈夫」と断言したものの、５泊７日の日程を無事終えて８日に帰国するまで心配の種は尽きない。