2005年12月20日
ぼくの鳴き声は「モォー」じゃなくて「ムー(moo)」だよ
同じ動物の鳴き声であるにもかかわらず、言語によって聞こえ方が違うのは、英語の授業で習った人も多いだろう。日本人の友人が10歳の息子を連れてニュージーランドに遊びに来たときのこと。彼は3歳から英語を勉強しているが、犬を指さして、「あの犬、日本語が話せるよ。“ワンワン”ってほえるもん」と言ったのには、ああなるほどと感心した。英語では、犬の鳴き声は「バウワウ(bowwow)」だが、実際、日本人のわたしたちには、「バウワウ」ではなく「ワンワン」と聞こえる。犬以外の鳴き声にしても、羊は「メェー」、にわとりは「コケコッコー」、牛は「モォー」である。もしかして、もしかしたら、言語による動物の鳴き声の聞こえ方に違いなんてないのかも? とさえ思えてきた。というわけで、早速、ニュージーランドの子供たちに協力してもらい、検証してみた。
集まってくれたのは8歳から12歳までの男女6人。まずは、猫から。「ニャアニャア」と典型的な猫の鳴きまねをすると、子供たちはちょっぴり自信なさげに、「猫?」と答えてくれた。ちなみに、英語では「ミャウ(meow)」と表現する。やはり、動物の鳴き声に国境はないのかもしれない、と思ったのも束の間、犬の「ワンワン」という鳴きまねには、子供たちの反応はいまいちで、「わからない」と口々に言う。犬だと言うと、「えー!?」と驚かれてしまった。ニュージーランドの代表的な動物、羊の「メェー」も、子供たちは同じような反応。そのうえ、「羊は“バァー(baa)”だよ、“メェー”なんて鳴かないよ!!」と猛反撃にあってしまった。にわとりの「コケコッコー」も「にわとりは“カッカドゥルドゥー(cock-a-doodle-doo)”!!」と怒られ、牛の「モォー」には「ワニ! カエル! ヤギ! イルカ!」と、なげやりに動物の名前を列挙されてしまった……。
自信満々ではじめた今回の実験だったが、やはり、言語の壁を実感。日本人には同じように聞こえがちな「V」と「B」、「L」と「R」、「H」と「F」の区別が英語にはあるように、動物の鳴き声にも歴然とした違いがあるようだ。しかし、これに懲りず、今度は動物の鳴き声ではなく、“急プレーキの音”や“鈴の音”など別の音でも試してみたい。
(畑中美紀)
集まってくれたのは8歳から12歳までの男女6人。まずは、猫から。「ニャアニャア」と典型的な猫の鳴きまねをすると、子供たちはちょっぴり自信なさげに、「猫?」と答えてくれた。ちなみに、英語では「ミャウ(meow)」と表現する。やはり、動物の鳴き声に国境はないのかもしれない、と思ったのも束の間、犬の「ワンワン」という鳴きまねには、子供たちの反応はいまいちで、「わからない」と口々に言う。犬だと言うと、「えー!?」と驚かれてしまった。ニュージーランドの代表的な動物、羊の「メェー」も、子供たちは同じような反応。そのうえ、「羊は“バァー(baa)”だよ、“メェー”なんて鳴かないよ!!」と猛反撃にあってしまった。にわとりの「コケコッコー」も「にわとりは“カッカドゥルドゥー(cock-a-doodle-doo)”!!」と怒られ、牛の「モォー」には「ワニ! カエル! ヤギ! イルカ!」と、なげやりに動物の名前を列挙されてしまった……。
自信満々ではじめた今回の実験だったが、やはり、言語の壁を実感。日本人には同じように聞こえがちな「V」と「B」、「L」と「R」、「H」と「F」の区別が英語にはあるように、動物の鳴き声にも歴然とした違いがあるようだ。しかし、これに懲りず、今度は動物の鳴き声ではなく、“急プレーキの音”や“鈴の音”など別の音でも試してみたい。
(畑中美紀)
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