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栃尾郷病院廃止、診療所に
県内で16病院を運営する県厚生連が、長岡市栄町2の栃尾郷病院を廃止し、診療所と介護老人保健施設に機能転換する方針であることが5日、分かった。外来患者の減少などによる経営難、医師不足から判断した。県の認可を受けた上で、10月に転換する。
同病院は同市栃尾地域で唯一の総合病院。高齢者が長期入院する「療養病床」60床を含め計120床ある。診療科は内科、外科、眼科など10。常勤医は内科3、歯科1の計4人で、ほかの科は新潟大などの応援医師で対応してきた。
機能転換後は、現施設を改装して老人保健施設に80床、診療所に19床を設ける。現在ある小児科、外科、婦人科は10月で中止、来年3月に歯科もやめる。
同病院によると、1998年に1日当たり約600人だった外来患者は現在、約200人に減少。入院患者は医療報酬の少ない慢性期疾患による長期入院が8割以上を占め、年間約1億円の赤字となっていた。
厚生労働省が2011年度末で療養病床を大幅削減する方針を示していることもあり、体制の見直しを迫られていた。
県厚生連は、既に地域の区長らに説明。ある区長は「市中心部の病院に患者が流れている現状で、病院の経営状況も悪いと聞いている。診療所として続いてくれれば、ある程度はやむを得ないのではないか」と話した。
同病院は、地元住民が資金を出し合い1938年に設立した「栃尾郷立診療所」が前身。52年に県厚生連の病院となった。
新潟日報2009年6月6日
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