挙式の帰り、花嫁ひったくり被害　新郎は犯人を追った

　結婚式を挙げて帰宅途中の新婦からバッグをひったくったとして、警視庁は、住所不定、無職菅原弘樹容疑者（２６）を窃盗の疑いで逮捕したと２日発表した。一緒にいた新郎の追跡を受けて逃げる途中、自分の持ち物だったコインロッカーの鍵などを落とした容疑者はその後、警察に「ロッカーから荷物を出したいが、強盗に鍵を奪われた」とうその届け出。これがきっかけで逮捕された。

　捜査３課によると、菅原容疑者は昨年１２月７日午後９時すぎ、東京都北区赤羽南２丁目の路上で、自転車で追い抜きざまに同区内の女性（２６）から現金約１０万円などが入ったバッグをひったくった疑いがある。走って追いかけた会社員の夫（２７）が約１５メートル先で自転車の荷台をつかむと菅原容疑者は転倒。バッグのほか自分の携帯電話やＪＲ目白駅内のコインロッカーの鍵を落としたまま逃走したという。

　菅原容疑者はその後、目白駅前交番に「荷物を出したいが、強盗に鍵を奪われた」と届け出ていたことが判明。この際に書き残した氏名や新潟県長岡市の実家の住所などが携帯電話の登録と一致したことが、逮捕に結びついた。

　夫婦は被害当日に品川区内のホテルで結婚式を挙げたばかり。同課によると、女性は警察官に「主人が頼もしかった。愛情が深まりました」と笑顔で話したという。