社会
三木市民病院、経営健全化団体転落へ 県内初
経営難に陥っている三木市民病院(兵庫県三木市加佐)が、自治体財政健全化法で経営が危機的状況とされる「経営健全化団体」への転落が確実になったことが9日、分かった。2008年度の決算で、資金不足比率が「経営健全化基準」の20%を超える見込みとなったため。兵庫県内の公営企業で、経営健全化団体になることが判明したのは初めて。
同病院は今後、経営健全化計画を09年度中に作成。議会の議決を経て公表する。
三木市は、同病院に5億円を限度とした長期貸し付けを予定していた。しかし、3月市会の最終日に提出した看護師を含む市職員の給与カット案を、議会側が「議論の時間が足りない」などとして継続審査としたことに、薮本吉秀市長が反発。貸し付けを含んだ補正予算案は可決されたが、「病院の改革プランが進まないなら貸し付けもしない」と見送った。
この結果、運営資金が不足し、08年度の不良債務が約11億円となった。事業規模に対する資金の不足額を示す資金不足比率が、同年度決算で23・7%と基準の20%を超える見通しとなった。
同病院では、医師数が04年度の52人から現在、36人に減少。この間に産科が休診し、小児科や脳外科など五つの診療科で入院患者の受け入れを停止した。利用者が減少し、診療報酬の改定も重なって経営が悪化。08年度は約9億5000万円の赤字を見込む。
同病院の薮本耕一事務部長は「経営は深刻な状態。職員、スタッフが危機感を持ち、地をはうくらいの気持ちで、経営改善に取り組んでいきたい」と話した。三木市は昨年10月、小野市と両市民病院の統合で合意。13年10月の開設を目指している。(斉藤正志)
経営健全化団体 2009年4月に全面施行された「自治体財政健全化法」で、公営企業を対象に定められた。外部監査の受け入れや、借金の返済、収入の増加など具体的な計画作りが義務付けられ、実施状況の国への報告が必要となる。
(6/10 09:45)
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