ここから本文エリア 医師確保へ寄付口座 県、宮大に設置へ2009年06月10日 深刻な医師不足の改善につなげようと、県が来年度をめどに宮崎大学医学部(清武町)に寄付講座を設置する方針であることが9日、わかった。現段階で県が年間約5千万円を拠出し、設置期間は5年間の予定。地域医療のあり方を研究し、その担い手を育成することで、将来的には地域ニーズに合った医師派遣を実現するのが狙いだ。 講座は、同大医学部が4月に開設した「地域医療連携室」に県が予算を出す形で運営。医師の養成や確保を目的に、学生に地域医療のあり方や、県内の医師の配置状況などを学んでもらう。 同大医学部によると、「連携室」も、教育体制を充実させ、地域に根付く医師の育成をしていくことを目的に開設した。ただ、大学の予算だけで運営していることもあり、現状では特任教授と助教の2人が体制を整えている段階で、本格的な稼働には至っていないという。 そのため、県は大学側の要望を受けて寄付講座の協議を進めており、早ければ来年度の県の当初予算に計上し、開設にこぎ着けたい考えだ。 地域医療をめぐっては、5月末に成立した国の09年度補正予算に、厚生労働省の「地域医療再生事業」として約3100億円を都道府県に充てることが盛り込まれた。県はこの充当分を寄付講座の運営費用にするという。 県内では、地域医療を支える公的医療機関などで働く勤務医が減り続けている。同大医学部総務課は「将来的には地域医療に興味のあるドクターを集めて、地域の中核となる病院に医師を派遣するシステムを作っていきたい」と期待している。
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