長崎大学病院は9日、24時間体制で重症患者を受け入れる救命救急センターを、来年4月を目標に開設する方針を明らかにした。県内では大村市の国立病院機構長崎医療センターに次いで2カ所目となり、全国の県都で唯一、同センターが無かった長崎市の救急医療体制が改善される。
同センターは、一般の救急病院で対応できない患者を受け入れる3次救急医療施設。救急医療に精通した医師や看護師を配置し、専用病床が10床以上あり緊急手術に対応できることなどが要件。
長崎大学病院はこれまでも、3次救急医療施設として、救急部の医師5人と各診療科の医師が連携して24時間体制で重症患者を受け入れてきた。同センターは当面、既存施設を利用しつつ大学病院の敷地内に新設される予定。規模は未定だが、設置によって医師や看護師、専用病床が増え、救急医療の臨床研修が必要な研修医の県外流出を防ぐ効果も期待される。
同病院は、周産期医療の充実も図る予定で、長崎市立市民病院の新生児集中治療室(NICU)15床を集約する方針。長崎大学病院には現在、NICUが6床あり、来年度は9床の継続保育室(GCU)も設置する。
一方、救命救急センターを備えた新市立病院を2013年度に開設する長崎市病院局は「市内の救急医療体制が充実することは喜ばしい」と評価した上で、新市立病院の計画の見直しについては「現段階では何とも言えない」としている。
=2009/06/10付 西日本新聞朝刊=